現代日本人の約2800万人が発症している「腰痛」のうち、2~3%が「椎間板ヘルニア」だと言われています。しかし医師に相談しても、具体的な対処法がなかったり、一生治らないと伝えられたり、困っている腰痛患者が多いのではないでしょうか。本記事では、現役医師である伊東信久氏が、腰痛防止のために、日常生活で意識すべき点を紹介します。

横向き寝は「睡眠時無呼吸症候群」の予防にもなる

このほか、横向き寝は舌の落下が起きにくいので睡眠時無呼吸症候群の予防になりますし、妊娠中の女性に適した寝姿勢です。消化器系の不調を抱えている人の場合は右半身を下にすると腸の働きを助けることができ、貧血体質の場合は心臓がある左半身を下にすると全身の血液が心臓に戻りやすいともいわれています。

 

もちろん、寝ている間も寝返りを打つなど動いているものですから、「横向きで寝たはずなのに、朝起きるといつも仰向けになっている」ということがあるでしょう。その場合は、気にする必要はありません。眠りにつき、寝返りを打ち始めるまでの間、背骨に負担の少ない横向き寝をすれば十分です。

 

気になるという人は、「抱き枕」を使うのも一つの方法です。横向き寝で問題になるのが、腕の位置です。身体の下に腕をもっていくと血行が悪くなりますし、前にもってくるのが自然ですが、何か落ち着かないもの。そのせいで、横向きの姿勢が取りにくいという人が多いのです。

 

そういう人は、抱き枕を試してみてください。自然に姿勢が正しくなるだけでなく、寝つきが良くなる人もいるのでお勧めです。

腰痛予防のための「コルセット」装着は危険!

私たちは床に置いてある荷物を持ち上げるとき、身体を安定させるために腰回りの筋肉を使ってお腹に力を入れ、自然と腹圧を高めています。このように身体には本来、腹圧を自然に高めることができる機能が備わっています。

 

しかし、椎間板ヘルニアなどで痛みがあると、腹圧を高めることができなくなります。そこで、筋肉の代わりとなるコルセットを装着し、身体を安定させているのです。これが、先に述べたように筋力が自然のコルセットの役割を果たしているということです。

 

しかし、腰痛を予防する目的で、痛くもないのにコルセットに頼って装着していると、筋肉は衰えてしまうため、自力で身体を安定させることができなくなります。もちろん、腰に痛みが出ている場合は、骨盤ベルトやコルセットは有効な器具といえますし、コルセットを外せば負荷がかかり、椎間板ヘルニアの場合は髄核が再び飛び出てきます。

 

ただし、ヘルニアの原因が取り除かれたわけではないので、表面の症状を和らげたに過ぎません。

 

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椎間板ヘルニア治療のウソ・ホント

椎間板ヘルニア治療のウソ・ホント

伊東 信久

幻冬舎メディアコンサルティング

多くの現代人の悩みである腰痛・首痛。 その原因の一つである椎間板ヘルニアには、さまざまなウワサがあります。「手術しても完治しない」「安静にしていれば自然に治る」など…。 本書では、そんなウワサの真偽を椎間板…

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