「不倫した側」からの「離婚したい」は認められるのか?【弁護士が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

有名人の不倫がメディアで取り上げられ、時に犯罪者のような扱いをされますが、姦通罪は昭和22年に廃止されたため、不貞行為は刑法上の犯罪に該当しません。しかしながら、民事上の損害賠償(慰謝料)請求の対象にはなります。どのような場合に慰謝料が認められるのでしょうか。また、不貞行為は離婚事由になりますが、不貞行為をした配偶者からの離婚請求は認められるのでしょうか。落語『紙入れ』の旦那、女房及び新吉を例にして解説します。女房と新吉は既に情交関係をもっていたことを前提にします。※本連載は、弁護士・森章太氏の著書『落語でわかる「民法」入門』(日本実業出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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新吉は、取引先の女房と…落語で「不貞行為」を解説

『紙入れ』

(麻生芳伸 編『落語百選 夏』〔筑摩書房、平成11年〕316〜322頁 参照)

 

新吉は、出入り先の旦那の女房と差しむかいで座っている。女房が旦那は今夜帰らないから大丈夫、泊まっていきなという。新吉が旦那に知れたら申し訳ないとためらっていると、旦那に厄介になったから私はどうでもいいのか、旦那の行動はすべて私の差し金であると女房がいう。女房が新吉の手をとると、表の戸が叩かれ、旦那の声がしたので、新吉は裏口から逃げる。

 

新吉は、慌てていたため、女房からの手紙が入った紙入れを旦那の家に置き忘れた。紙入れは旦那から貰ったものであった。夜逃げも考えたが、旦那が紙入れに気づかなかった可能性もあるので、翌日に様子を見に行くことにする。

 

新吉は、翌日の早朝、旦那の家を訪れる。そして、目をかけてくれている、ある旦那の女房と世間に顔むけのできないことをしてしまい、しかもその女房の手紙を入れた紙入れを置き忘れてしまったので、ほとぼりの冷めるまで旅に行くと伝える。

 

旦那の女房が「ふふふふ、いやだよ、新さん…ほんとうに、青い顔なんかしてさ。しっかりおしよ。そりゃ、おまえ、旦那の留守に、若い男でも引き入れて、内緒事でもしようというおかみさんじゃないか、おまえ、そこに抜け目があるもんかね、紙入れなんか、ちゃあんと…こっちへしまって…ありまさあ、ねえ、そうでしょ、旦那?」という。

 

旦那が「うん、そうとも。たとえ紙入れがそのへんにあったって、自分の女房をとられるようなやつだから、そこまでは気がつくめえ」。

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東京中央総合法律事務所 弁護士

1981年生まれ。横浜市立大学商学部経済学科卒業。税理士法人勤務、税理士試験合格。慶應義塾大学大学院法務研究科卒業。司法試験合格後、弁護士登録。

横浜市立大学での市民向け講座の講師並びに税理士団体及び企業での研修講師を務めている。これまでの講座内容として、「落語で学ぶ民法・刑法」、「映画『男はつらいよ』で学ぶ法律講座」、「平成史で学ぶ法律講座」、「平成の小説で学ぶ法律講座」、「『カラマーゾフの兄弟』で学ぶ法律講座」などがある。

著者紹介

連載落語でわかる「民法」入門

落語でわかる「民法」入門

落語でわかる「民法」入門

森 章太

日本実業出版社

法律書なのに、リアルに面白い! 「落語×民法」で、法律の世界と現実社会がスッキリつながる。 ●21の落語の噺を事例にして、民法を体系的に解説。 ●各話は独立しているので、どこから読んでもOK。 ●なじみのない法律…

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