「不成注文」はどのように利用すればいいのか?
ではそんな不成注文は、どのような時に用いればよいでしょうか。その前に、どのような時に(条件なしの)指値と成行で発注すればよいかを、整理しておきましょう。
指値……価格を第一優先、約定は諦めてもよい
例:価格にこだわりがあり、その価格以下で買いたい、またはその価格以上で売りたいとき
成行……早い約定を第一優先、価格は妥協してもよい
例1:将来の値上がりが確実だと判断し、早く買えば買うほど得だと思う銘柄を買うとき
例2:買った銘柄が異常に高騰していて、下手に指値で注文して売るタイミングを逃したくないとき
例3:買った銘柄が下落していてさらにそれが続くと判断し、いち早く売りたいとき
以上のように整理すると、不成注文の利用法も以下のように見えてくるのではないでしょうか。
不成……希望価格での売買(指値)が第一希望、引けまでの約定(成行)が第二希望、運悪く約定しないことも想定
つまり、譲れない優先事項が定まっておらず、「あわよくばその価格以下で買いたい、またはその価格以上で売りたいが、それが無理なら引け時には約定させたい、しかし約定の確率が通常注文より下がるのは承知済み」という時に、不成注文は適しているといえそうです。
通常の指値・成行注文でも十分では?
ところで株価というのは、特に短期的には、単なる偶然のような変動をします。ですから投資家は、「価格はどの程度が妥当なのか」「なぜこのタイミングで売買するのか」を常に自分なりに考えておかなければいけません。そうでなければ、その変動に一喜一憂して振り回され、高値掴みをしてしまったり、ロスカットができなかったりする可能性があるからです。
そして通常の指値・成行注文でも、そんな自分なりの考えにもとづいた売買は、十分にできます。逆に、不成注文は前述のとおり、「狙いが明確に定まっていない注文方法」だといえそうです。
ですから、そんな不成注文はせずに、価格を優先する指値注文か、早い約定を優先する成行注文を、自分なりの考えにもとづいておこなった方が、投資の成功確率も上がるといえます。
ただし、「自分なりの明確な理由」を持って不成注文をするならば、それはそれでよいのかもしれません。
■まとめ
株の売買には自分なりの考えを持って!
「不成」とは、引けまでは指値扱いで、約定しなければ引け時に成行扱いされる注文方法です。
しかし、指値としても成行としても、通常の注文よりは約定の確率が下がるという点が特徴的であり、注意点だといえます。それは「狙いが明確に定まっていない注文方法」だといえ、自分なりの考えにもとづいて通常の指値・成行注文する方が、有効ではないでしょうか。
ただし、「自分なりの明確な理由」を持って不成注文をするならば、それはそれでよいのかもしれません。
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