(※画像はイメージです/PIXTA)

チームの心をひとつにして業務に当たれば、個人で仕事に立ち向かうよりずっと大きな成果を出すことが可能になります。力を存分に発揮するチームを編成し、率いていける人こそ「できるリーダー」です。メンバーのやる気に火をつけ、成果を出し続けるには、リーダーはどのように行動すべきでしょうか。※本記事は、都丸哲弘氏の著書『どんな時代でも生き残る リーダーの仕事』(株式会社かざひの文庫)より一部を抜粋・再編集したものです。

やる気のないメンバーは「貢献欲」を掻き立てよう

●やってほしくない行為をビジュアル化する

 

やる気がないメンバーに対して、リーダーはどう対処すればいいのでしょうか。まずできるのは割り切ること。やる気がないのは仕方ないということを前提に考えます。

 

そのうえで、たとえばミスや遅刻など、お客さまに迷惑がかかるからやってほしくない行為を明文化し、やる気の有無は関係なくきちんと守ってほしいということをビジュアル化して、お願いします。

 

そして、根気強く一つひとつのことを詰めていくのです。

 

協力を仰ぐ、お願いするというスタンスで、

 

「これだけはぜひ守ってほしい。そうすれば現場が落ち着くし、あなたの給料が上がることもあるだろうから」

 

と伝えます。これだけでうまくいくこともあります。そして、うまくいったときにはかならず情報共有をします。

 

「あなたがこのようにしてくれたおかげで、こんな結果になりました」と、お互いにハードルをクリアした成功体験を共有するのです。可能であれば、そのタイミングで待遇を変えてあげます。

 

この動きを続けていくと、徐々にやる気が芽生えます。

 

最初からやる気がないから無理だと決めつけてしまうと、物事は進みません。そもそもやる気は見えないのですから、そのようなものに頼らないようにします。

 

●いつまでに、誰が、何をすればいいかを明示する

 

「お客さまの反応が共通の基準」という共通認識を持ったうえで、いつまでに・誰が・何をすればいいか、ということを決めて、わかりやすく明示しましょう。明示したうえで、それをフォローする。そして、進捗状況を共有し、うまくいったときはお礼を伝えるというマネジメントをするのです。

 

皆、期待され・評価されるということは嫌ではありませんから、お礼を言われるなかでやる気を出すようになるかもしれません。

 

このように、「気にかける・期待する・共有する」ということを繰り返すことでしか、人は動かないとわたしは思うのです。

 

●事細かに進捗を伝える

 

わたしの会社には学生のアルバイトもいますし、デザイナーの人もいます。たとえば、デザイナーの人に対して、わたしは非常に細かく進捗を伝えます。

 

会社の封筒のデザインを依頼し、つくったデータの印刷を印刷会社に依頼するとき、

 

「あなたのデザインの印刷をお願いしてくるから」

 

と伝えます。こちらが受け取って終わりにしてしまうと、進んでいるのか、会社の事業に貢献できているのか、実感を得られません。そうなると、会社との距離は埋まらないのです。

 

進捗を伝えることを省かないことは、一緒に働くメンバーへのマナーです。

 

●会社に貢献してくれていることを積極的に伝える

 

アルバイトであれ学生であれ、関係ありません。その人がやってくれたことが、いま会社にとってどのように作用しているかは、惜しまず伝えたほうがいいでしょう。

 

「いい仕事をしたことで新たなオーダーが入った」「売上が上がった」などということを情報共有することで、メンバーが会社の役に立っていることが実感できます。

 

役に立ってもらえていることを共有するようになると、信頼関係が生まれやすくなります。仮にメンバーから反応がなくても、とにかく続けること。「ありがとう」と言われて嫌な気持ちになる人はいません。

 

とてもアナログで人間くさいことですが、伝えることを省かないだけで、チームは活性化します。

責任をとるのはチームでひとり、報告は全員で行う

●人は自分の評価が下がることを、隠そうとする

 

責任はトップひとりだけ。でも、報告する義務は全員。

 

これが一番わかりやすい図式です。

 

自分の評価が下がると思うと、人は隠すようなことをします。それが足かせになって会社が傾くこともあります。

 

でも、組織では、起こることすべてがトップの責任です。

 

遅刻したこと、お客さまを怒らせたこと、お金を盗んだことも含めてです。

 

ただし、そのことについて理由を説明し、報告を入れることは、その当人たちの責任です。

 

発生責任はトップに、報告責任は全員にあると考えるのです。

 

●自分は護(まも)られているという勇気を持たせる

 

事を起こした人に責任をとらせてしまうと、本人は隠そうとするもの。

 

でも、リーダーがメンバーのミスに対して一緒に謝り、庇ってくれれば、その人はまたミスをするでしょうか。しないと思うのです。

 

「自分は護(まも)られている」「これからもこのまま頑張っていいのだ」という勇気を持たせることのほうがよほど大切です。

 

全員に報告する責任があり、報告をしてくれたらお礼を言う。

 

そうすれば、メンバーたちがどんどん報告してくれるようになります。

 

「なぜこのようなことが起きたと思う?」『こうだからです』「それなら、どうすれば解消できる?明日までに100個出せる?」これが、正当な責任のとらせ方です。本人は自分が悪いと思っている。それで十分です。

 

「責任をとるのはトップ、報告の義務は全員」というルールにすることで、チームメンバーたち全員がパートナーになるのです。

 

 

都丸 哲弘

wedo合同会社 代表

 

どんな時代でも生き残るリーダーの仕事

どんな時代でも生き残るリーダーの仕事

都丸 哲弘

かざひの文庫

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