米国大手IT企業群「GAFA」は、積極的なM&Aで成長
GAFAで起きていることは、ウィナーズ・テイク・オール(勝者がすべてを取る)の法則です。米国大手テクノロジー企業はM&Aを巧く使って成長してきました。
マイクロソフトのM&Aにはノキアの携帯事業買収のような失敗もありましたが、2011年のSkype(買収価格85億ドル)、2016年のLinkedin(262億ドル)、2018年のGitHub(75億ドル)の買収など、その後の成長につながったM&Aもありました。
さらにマイクロソフトは2020年9月に「Doom」や「Fallout」などの人気ゲームを輩出するベセスダ・ソフトワークスを傘下に持つゼニマックス・メディアを75億ドルで買収すると発表しました。
マイクロソフトのナデラCEOは、「高品質なコンテンツは、MinecraftからFlight Simulatorまで、Xbox Games Passの成長と価値の原動力だ。ベセスダは実績のあるゲーム開発パブリッシャーとしてあらゆるジャンルのゲームで成功している。この買収で、世界で30億人を超えるゲーマーを力づけるという野心を強化する」と語りました。
グーグルは2006年に16.5億ドルでユーチューブを買収し、その後のグーグルの成長に大きな貢献をしました。フェイスブックは2012年に社員13人&売上ゼロだったインスタグラムを10億ドルで買収しました。インスタグラムはその後世界で10億人以上のアクティブユーザーを抱える大きなSNSに成長しました。
アマゾンも2017年に高級食品スーパーのホールフーズを140億ドルで買収しました。アマゾンは日本でも生鮮食品の通販を“Amazonフレッシュ”として展開していますが、このときの買収で生鮮食品を扱うノウハウが高まったと見られました。アマゾンは無人スーパー「GO」を展開していますが、ホールフーズ買収でリアル店舗の展開力が高まったと見られます。
なお、ウォルマートも2016年にジェット・ドットコムを33億ドルで買収するなどして、アマゾンに対抗するためのEC能力を高めてきました。米国ではスタートアップ企業が大手テクノロジー企業に買収されるケースが多いので、IPO件数が経済規模に比べて少なくなっています。
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