NYダウは、2020年の年初は堅調に推移していたものの、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、3月に2万ドルを割り込みました。しかし、大規模な金融・財政政策の後押しもあり、12月には3万ドルまで上昇しました。コロナ禍にもかかわらず株式を積極的に買い進め、株価の上昇を牽引したのは誰なのでしょうか? データから読み解きます。※本連載は、菊地正俊氏の著書『No.1ストラテジストが教える 米国株投資の儲け方と発想法』(日本実業出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

2020年は「海外投資家」が米国株を大幅に買い越し

(※写真はイメージです/PIXTA)
ニューヨーク・マンハッタンの街並み(※写真はイメージです/PIXTA)

 

米国株の需給を見るには東証の週次データのような売買データがないので、FRBの“Flow of Funds”の四半期データを使わざるを得ません。これによれば、近年、急騰する米国株を買っている投資主体は外国人、企業の自社株買い、ETFでしたが、自社株買いはコロナ禍による業績悪化で急減する一方、外国人からの米国株投資が増えました。このなかには当然、日本の個人投資家による投信経由の買いも含まれます。

 

【図表1】家計、ミューチュアルファンド、ETF、海外投資家の米国株買い越し額

 

事業会社の2020年上期の米国株の純買い越し額は、前年同期比約半減の4600億ドル(約49兆円)となりました。株式運用のパッシブ化が進むなか、同期間にミューチュアルファンドが約7300億ドル(74兆円)の米国株を売却した一方、ETFは4630億ドル(46兆円)の米国株を買い越しました。

 

それ以上に買い越したのは海外投資家で、2020年上期に1.3兆ドル(約140兆円)もの買い越しになりました。

 

ETFは継続的に買い越しているものの、海外投資家は買ったり、利食ったりという動きがあります。事実、海外投資家は2019年下期に4100億ドル(43兆円)の売り越しでした。逆に、米国の個人投資家は2019年下期に6150億ドル(65兆円)の買い越しだった一方、2020年上期は5200億ドル(55兆円)の売り越しに転じました。

 

ただし、株式需給は誰かの売りが他の誰かの買いになるというプラスマイナスゼロの統計なので、参考程度に見るべきでしょう。

 

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No.1ストラテジストが教える米国株投資の儲け方と発想法

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