時価総額上位だったソニーは「アップル関連株」に…
2011年にコンサルタントの長谷川正人氏は『なぜアップルの時価総額はソニーの8倍になったのか?』で、「アップルの時価総額はソニーを2005年に初めて逆転し、2007年に3倍、2010年3月末に時価総額はアップルが2134億ドルとソニーの6〜7倍になった。またアップルの時価総額がIT業界で長らくナンバーワンだったマイクロソフトを抜いたことが話題になった」と書いていましたが、そのときに比べてアップルの時価総額は約9倍に増えたことになります(図表1)。
当時のソニーの業績は低迷していましたが、その後業績を回復させ、株価は19年ぶりの高値に上昇しましたが、アップルとの時価総額格差は約20倍と拡大しました。アップルが経営不振に陥っていた1990年代半ばには、ソニーがアップルの買収を検討していると噂も出ていたので、いまとは雲泥の差です。
ソニーのウォークマンはiPhoneに取って代わられましたが、スマホのカメラのCMOSイメージセンサーで世界シェア5割を握り、ゲームでもプレイステーションでマイクロソフトのXboxと対等に競争しているので、日本企業としては健闘しているといえます。
いまやソニーに加えて、村田製作所、TDK、アルプス電気など日本を代表する電子部品企業はアップル関連株と見なされています。
世界のITプラットフォームはGAFAが握ってしまったので、日本企業はサプライヤーとして生きる道を歩んでいます。米国のGAFAが世界的な覇権を強めるなか、日本にもGAFAの下請け的な上場企業が増えています。
たとえば、2020年に株価が2倍以上に上昇したテラスカイは、日本におけるセールスフォースとアマゾンのAWSのクラウドシステムの導入支援業務を行なっています。マザーズ上場のサーバーワークスも、AWSの導入支援・保守代行の専業企業です。こうした日本の中小型企業の業績を分析すれば、アマゾンの業績動向の予想に役立つでしょう。
菊地正俊
みずほ証券エクイティ調査部 チーフ株式ストラテジスト
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】