「6/21~6/28のFX投資戦略」のポイント
[ポイント]
・先週のFOMCの後から、為替相場は米金融緩和見直しの織り込みがメイン・テーマになった。今後は、これまでの米10年債利回りにかわり、金融政策を反映する米2年債利回りの影響が大きい状況が続く可能性がある。
・米2年債利回りが、記録的な「上がり過ぎ」ならば、修正のために米金融緩和見直しをテーマとした米ドル急騰も一息つく可能性あり。
FOMC後「米ドル全面高」も対円と対ユーロで進展に差
先週は、16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)を受けて、米ドル全面高となりましたが、対円と対ユーロなどでは、米ドル高の進展に差が出ました。
米ドル/円は、FOMCの直後こそ110円台後半まで米ドル急騰となり、一気に年初来高値に迫る動きとなりましたが、その後は110円前後まで反落となっています(図表1参照)。一方ユーロ/米ドルなどは、ユーロ安・米ドル高が一段と広がるところとなりました(図表2参照)。
ここでは、ユーロ安・米ドル高の動きが、これまで方向性を比較的うまく説明してきた独米10年債利回り差と、ほとんど反対の動きを示したことに、注目が集まっています。(図表2参照)。
独米10年債利回り差は、FOMC直後こそ、米10年債利回りが1.5%を大きく上回る急騰となったことで、金利差ユーロ劣位が拡大(ユーロ安・米ドル高要因)しましたが、その後、米10年債利回りが再び1.5%割れへ低下したことから、金利差ユーロ劣位も縮小(ユーロ高・米ドル安要因)となりました。
この結果、週末にかけて一段と広がったユーロ安・米ドル高は、独米10年債利回りとかい離する結果だったわけです。
独米10年債利回り差とかい離したユーロ安・米ドル高の動きをうまく説明できたのは、同じ金利差でも、独米2年債利回り差でした。独米2年債利回り差は、ユーロ劣位がFOMCの後から一方的に急拡大(ユーロ安・米ドル高要因)し、一段のユーロ安・米ドル高ときれいに連動しました(図表3参照)。
こんなふうに、独米2年債利回り差ユーロ劣位が、FOMCの後から一方的に拡大したのは、米2年債利回りの急騰が主因でした。FOMC前に0.16%程度だった米2年債利回りは、先週末には0.25%以上に急騰しています(図表4参照)。
2年債利回りは、基本的に金融政策を反映する金利と位置付けられます。ということは、今回のFOMCの結果は金融市場にとって「サプライズ」であり、FOMCの後から急いで現行の米超金融緩和見直し織り込みに動いた結果、10年債利回りではなく、金融政策を反映する2年債利回りの急騰をもたらしたということでしょう。
これを受けて、独米2年債利回り差ユーロ劣位は急拡大、ユーロ安・米ドル高はそれに敏感に反応したということでしょう。
以上のように見ると、今回のFOMC後の米ドル全面高は、米金融緩和見直しを織り込む動きが基本でした。この構図がこの先も続くなら、為替相場の行方を示す目安が、これまでの米10年債利回りから、金融政策を反映する米2年債利回りに変わる可能性があります。
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