本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

好調が続くハイブランド株

■欧州ハイブランド株のパフォーマンスが好調です。代表格のモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)は昨年の年始から6割近く上昇し、エルメスやロレアルといった他の主要ハイブランド株も、フランスの代表的な株価指数であるCAC40を大きく上回って上昇しています。

 

■株価好調の背景には、急速な業績回復があります。いち早くコロナ禍から脱した中国での販売好調に加え、主要顧客の富裕層が世界的な株高の恩恵を受けていることなどが、好決算の要因に挙げられます。

 

(注)データは2020年1月1日~2021年6月16日。すべて現地通貨ベース、2020年1月1日を100として指数化 (出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成。
[図表1]主要ハイブランド銘柄の株価推移 (注)データは2020年1月1日~2021年6月16日。すべて現地通貨ベース、2020年1月1日を100として指数化。
(出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

危機にこそ際立つ、ハイブランド株の強み

■危機に対するストレス耐性もハイブランド株の強みです。昨年3月、コロナウイルスの感染拡大から世界の金融市場は大きく動揺しましたが、欧州ハイブランド株は総じて底堅く推移しました。同時期のCAC40は年初来で4割近く値下がりしましたが、LVMHは約3割、エルメスやロレアルは約2割の下げ幅に留まりました。

 

■世界の成長エンジンであるアジア地域でのビジネス展開がもたらす成長性に加え、そのブランド価値を背景にした高い利益率や価格決定力、そしてこれまで積み重ねてきた好業績の結果である盤石の財務基盤が、こうした下値抵抗力の背景にありそうです。

海外旅行解禁がさらに追い風に

■中国、アメリカ、欧州の順で世界経済が順次コロナ禍から脱していく中、今後も消費者心理の改善がぜいたく品であるハイブランド品の消費を押し上げていくことが見込まれます。

 

■中でも主要顧客である中国を中心としたアジア新興国の富裕層は、株高による資産効果も加わりハイブランド品消費を積極化させてくるものと期待されています。

 

■こうしたアジア新興国の富裕層によるハイブランド品購入は、海外旅行の際の免税店などでのショッピングがそのほぼ半分を占めます。今後ワクチン接種が進み世界的に海外旅行が広く再開されるようになると、ハイブランド株への追い風はさらに強まる可能性があります。

 

 

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『脱コロナで好調続く欧州ハイブランド株』を参照)。

 

(2021年6月18日)

 

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