本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

中国経済は安定した回復

■中国国家統計局は16日、主要経済指標を発表しました。5月の鉱工業生産は前年同月比+8.8%と、前月の+9.8%から伸び率が鈍化しました。5月の小売売上高は前年同月比+12.4%と、前月の+17.7%から伸び率が鈍化しました。また、1~5月の固定資産投資も前年同期比+15.4%と、1~4月の+19.9%から伸び率が鈍化しました。主要経済指標はいずれも前月から減速しましたが、高い水準を続けています。今後も中国経済は持続的な成長に向け、安定した回復を続けるとみられます。

 

(注)データは2018年4月~2021年5月、前年同月比。各年2月のデータは1~2月の年初来累計の前年同期比。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
鉱工業生産と小売売上高(注)データは2018年4月~2021年5月、前年同月比。各年2月のデータは1~2月の年初来累計の前年同期比。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

中国政治は極めて安定

■経済が堅調な中国は、政治的にも極めて安定しています。中国国内では習近平総書記が幅広い分野で権力を掌握しており、盤石な習近平体制が長期化するとみられます。

 

■ただし、米中対立は、バイデン政権下でも続く見込みです。バイデン政権は、中国の基本的人権問題を厳しく追及しており、イデオロギー対立が前面に出てくると、双方に妥協の余地がなくなり、一段と激化する可能性があります。

 

(注)データは2018年1月1日~2021年6月16日。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
MSCIチャイナと予想PER (注)データは2018年1月1日~2021年6月16日。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

日本は中国とのしたたかな付き合い方が必要

■主要7カ国首脳会議(G7)の共同宣言では、台湾の重要性を明記し、新疆ウイグル自治区や香港情勢などで人権や基本的な自由を尊重するよう求めたほか、中国に対抗する新しいインフラ支援の枠組みを創設するなど、G7が「対中国」で結束しました。

 

■こうした状況下、米国と政治・経済的に近く、中国とは地理・経済的に近い日本にとっては、経済的実利が棄損されないように、中国と注意深くしたたかに付き合っていく必要がありそうです。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『中国経済は安定した回復、政治も極めて安定』を参照)。

 

(2021年6月17日)

 

関連マーケットレポート

2021年5月18日 中国主要経済指標の伸びはやや鈍化

2021年4月20日 運用者の視点:中国起業家の『早期退任』

 

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