日本は世界に先駆け、65歳以上の人口の割合が全人口の21%以上を占める超高齢化社会に突入しましたが、日本の平均寿命は世界でもトップクラス。高齢者はおおむね健康で元気で、経済的にも豊かです。しかし世界と比べると、日本の高齢者の困窮する姿が見えてきました。

投資に消極的な日本人の姿が浮き彫りに

このような老後に対して、どのように備えているのか見ていきましょう。

 

どの国も「預貯金」が高く、「日本」54.6%、「アメリカ」62.7%、「ドイツ」59.3%、「スウェーデン」が42.4%。「個人年金」は「日本」24.0%、「アメリカ」45.7%、「ドイツ」21.4%、「スウェーデン」48.8%。割合に差はあれど、公的年金にプラスして個人年金を活用する割合は、4ヵ国とも高くなっています。

 

ただし投資に注目すると、各国に差が生まれます。「債券や株式」では日本やドイツは20%以下なのに対し、「アメリカ」52.2%、「スウェーデン」32.5%。また「不動産投資」に注目すると、日本やスウェーデンは5%以下なのに対し、「アメリカ」23.1%、「ドイツ」29.8%に達します。金融商品、不動産、カタチに違いはありますが、各国、老後を見据えて投資を行っているなか、日本だけが投資に対して消極的な姿勢が目立ちます。

「お金が足りない高齢者」がずば抜けて多い日本

日本、アメリカ、ドイツ、スウェーデンの4ヵ国の高齢者の生活を比べた時、どの国も公的年金頼りである現実が見えてきました。しかし米国とスウェーデンは、公的年金への依存度がほか2ヵ国と比べて低下傾向にあります。

 

また形に違いはありますが、各国とも老後を見据えて投資を行っているのに対し、日本は貯蓄頼み。その差が、老後に手にする収入の差に繋がっていると考えられます。

 

ある意味、4ヵ国のなかで最も高齢者の収入格差が少ないのが「日本」といえそうですが、それが幸せに直結しているかといえば、疑問が残るところです。

 

まず日々の暮らしで困っていることを尋ねたところ、「困っていることがある」の割合が最も高いのは「日本」で33.8%(「アメリカ」22.1%、「ドイツ」21.4%、「スウェーデン」13.6%)。

 

さらに老後資金の充足度を尋ねたところ、「足りている」の割合が低いのも「日本」で34.8%(「アメリカ」71.9%、「ドイツ」77.5%、「スウェーデン」68.6%)。日本の高齢者の6割は程度の差はありますが「お金が足りていない」と感じています。これは3ヵ国と比べて、ずば抜けて高い数値です。

 

公的年金だけに頼りがちな日本人。この先、年金額が増える見込みは、残念ながらありません。老後の安心、充足のために、資産運用が必須となりそうです。

 

 

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