世帯主が死亡した場合の手続き
世帯主が死亡した場合は、世帯主の資格喪失手続きのときに世帯の全員分の保険証を返却します。
国民健康保険の場合は、世帯主と被保険者証番号を変更したうえで残った家族の新しい保険証が発行されます。このとき、新しい世帯主を届け出る世帯主変更届の提出が必要になる場合もあります。
健康保険(被用者保険)の場合は、世帯主が死亡すれば扶養家族も加入資格を失うことになります。扶養家族は次のどちらかの方法で健康保険に加入しなければなりません。
・国民健康保険に加入する。
・家族に健康保険(被用者保険)に加入している人がいればその人の扶養に入る。
葬祭費・高額療養費の申請手続き
国民健康保険などの医療保険制度からは、葬祭費や埋葬料などが支給されます。
また、医療費を一定額以上支払った場合には、高額療養費として払い戻しを受けることができます。資格喪失の手続きと同時に、これらの手続きも済ませておくとよいでしょう。
■「葬祭費・埋葬料」の申請
葬祭費や埋葬料は、葬儀を行った人に対して支給されます。申請には所定の申請書のほか、死亡診断書など死亡したことがわかるもの、葬儀費用の領収書などが必要です。
給付金の種類や金額、申請先は故人が加入していた制度によって異なり、それぞれ[図表1]のとおり定められています。
故人が扶養家族として健康保険に加入していた場合は、故人を扶養していた人に家族埋葬料として5万円が支給されます。
■「高額療養費」の申請
高額療養費制度では、病院などでの医療費の支払いが一定額を超えた場合にその超えた分の払い戻しを受けることができます。
払い戻しを受けるには、保険証に記載の市区町村、後期高齢者広域医療連合、健康保険組合などに申請します。申請には病院や薬局の領収書、故人との関係がわかる戸籍謄本などが必要です。
医療費の支払いがいくら以上あれば払い戻しの対象になるかは、年齢や所得、受診の状況によって異なります。詳しくは、厚生労働省や健康保険組合のホームページなどで確認してください。
なお、健康保険が適用されない治療費や差額ベッド代、入院中の食事代などは払い戻しの対象にはなりません。
国民健康保険資格喪失届の提出はお早めに
ここまで、国民健康保険資格喪失届をはじめ、死亡したときの健康保険の手続きについてお伝えしました。
健康保険の資格喪失手続きは故人が加入していた医療保険制度によって異なります。どの制度に加入していたかは保険証などで確認できるので、それぞれの制度に応じた手続きをしましょう。手続きは死亡から14日以内にしなければならないため、早めの対応が必要です。
なお、ご家族が亡くなると、こういった本人の死亡についての申請だけではなく、ご本人名義の不動産や預貯金の名義変更や契約しているものの解約など、様々な手続きが必要になります。
手続きの時間がなかなか取れない、やり方が分からない、という場合には早めに司法書士や行政書士などの専門家に相談に行くと良いでしょう。必要な手続きや代行の相談に乗ってくれるはずです。