本記事では、ファイナンシャルプランナーオフィスのLive to Relief(ライヴトゥリリーフ)株式会社代表取締役・笹村敏夫氏が、「安くなければ買ってもらえない」という考えが間違っている理由を解説します。

「値下げを要求されたとき」営業マンが考えるべきこと

ただ闇雲に値下げをするだけなら、それこそ小学生でもできます。販売のプロである営業マンが考えるべきことは、「どれくらい値を下げられるか」ではありません。

 

自社の商品を定価で売るのを前提に、「どのように付加価値を高めるか」「自分から商品を買う価値はどこにあるのか」について知恵を絞るべきであり、それこそが営業という仕事の醍醐味であると私は思います。

 

あなたに価格の値下げを要求するのは、他に提案がないからだと思ってください。「安くなければ売れない」という営業マンの多くは、値段にばかり気を取られ、お客さまが何を望んでいるかに意識がいかないものです。

 

商品やサービスを通じ、お客さまが何を解決したいのか、どんな未来をイメージしているのか。そこに購買につながる大きなヒントが眠っています。

 

お客さまの心配事や悩みにじっくり耳を傾け、それに対する解決策として自社の商品やサービスを提案する。そうしたオーダーメイドのサポートが、「次もあなたに相談したい」という付加価値を生むのです。

 

個人的な相談やアドバイスといったプライスレスな部分は、実は価格競争に巻き込まれずに付加価値を上げる重要なポイントであるといえます。そうして相手に対し、自分という人間の価値を高めていく他に、商品やサービスの魅力の表現方法についても、工夫を凝らさねばなりません。

 

私は以前、ロッテで店頭マーケティングを担当していたのですが、スーパーの一つでは、自社の主力商品が恒常的に安売りされていました。そのままにしておけば、きっと他の店も追随して安売りを始め、ブランドとしての価値が下がっていくでしょう。そこで私が行ったのが、店頭(スーパー)の売り場の改善でした。

 

まずは売上より利益に焦点を当てるように提案。商品一つあたりの販売利益がしっかり出るよう、店頭販売価格を上げました。もちろんただ値上げをするだけではお客さまは離れてしまいます。値上げをした分、新たな売り場を細かくいくつも設けて、お客さまの目に留まる機会を増やしました。

 

その後毎週、データ検証を行ったところ、売上点数は維持されつつも利益は増えるという結果となり、取引先との信頼を築くことができました。

 

このように、商品に対する興味関心を惹きつける工夫を施し、値下げせずとも売れるような独自戦略を考えるというのも、営業マンの重要な仕事です。

 

高くて売れない……。そう嘆く前に、まずは自分が買い手の悩みに応える努力をしているか、そして商品やサービスの魅力が最大限に伝わるような工夫をしているか、考えてみてほしいと思います。

 

これらの努力の積み重ねにより、営業マンとしての実力が磨かれ、値下げに頼らずともなんでも売れる一流の営業マンになっていくのです。

 

 

笹村 敏夫

Live to Relief株式会社

代表取締役

 

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