本記事では、ファイナンシャルプランナーオフィスのLive to Relief(ライヴトゥリリーフ)株式会社代表取締役・笹村敏夫氏が、営業マンの多くが勘違いしている、「自身の本質的な役割」について解説します。

「パンフレットを置いて帰って」新人営業マンの失敗

自らの営業技術に自信がない人がやってしまいがちなのが、商品の良さを必死に伝えようと、その説明に時間を割くことです。特に営業にまだ慣れていない新人の頃などは、お客さまとの会話が続かなくなるのを恐れる気持ちもあり、沈黙を生まぬよう矢継ぎ早に商品説明をしてしまうもの。実は私も、同じような経験があります。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

大手菓子メーカーのルート営業マンだった時代、私はとある大手スーパーのバイヤーに対し、とにかく必死に商品の解説をして、なんとか採用してもらおうとしました。私の説明の途中、そのバイヤーはすっと手を顔の前に挙げて話を遮りました。

 

「あなたの話は、パンフレットを見れば分かることでしょう。そこに載っていないメリットや魅力を伝えられないなら、パンフレットを置いて帰ってください」

 

今思えば、自信のなさをバイヤーに見抜かれるのが怖くて、商品説明をひたすら繰り出していたのもあるでしょう。相手にとっては、私の拙い説明をだらだらと聞くより、商品説明がきっちりとまとめられているパンフレットを読んだほうが何倍も分かりやすいわけで、だからこそ「パンフレットを置いて帰って」とまで言われたのです。

 

これはあらゆる営業に通じることであり、パンフレットやウェブサイトの商品説明を見れば、商品スペックやサービス内容などの情報はすべて手に入ります。そこに書いてあることを繰り返すだけなら、営業マンなどいりません。

 

では、営業マンの役割とはなにか。実はこの問いには、一流の営業マンになるための大切な要素が詰まっています。

 

営業マンの役割は、商品説明ではありません。より多くの商品を売ることでも、成績を上げて会社からのノルマを達成することでも、巧みな話術でお客さまを誘導して契約を預ることでもありません。

 

お客さまの立場になって、考えてみましょう。お客さまが営業マンから聞きたいのは、どんな話なのか。商品説明はパンフレットを読めば分かりますから、さわり程度で十分です。営業マンの会社の事情や営業成績などには当然、興味がありません。お客さまが最も聞きたいのは、その商品を購入すると、「どんなふうに未来が変わるか」に他なりません。

 

なぜなら、お客さまにとっては、商品の購入は手段にすぎず、その商品を使うことで、未来をより良く変えるのが最終的な目的だからです。それが分かっていれば、営業マンの本質的な役割が見えてくると思います。

 

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本連載は書籍『人生が変わる「究極の営業」』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

人生が変わる「究極の営業」

人生が変わる「究極の営業」

笹村 敏夫

幻冬舎MC

営業は「どんな人でも成功できる」というと、にわかには信じ難いと思います。 しかし、営業未経験者であっても、しゃべりがうまくなくとも、正しい方向に努力すれば必ず、成功を収めることができるのです。 著者も、保険営業…

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