本記事では、ファイナンシャルプランナーオフィスのLive to Relief(ライヴトゥリリーフ)株式会社代表取締役・笹村敏夫氏が、「安くなければ買ってもらえない」という考えが間違っている理由を解説します。

「安くなければ売れない」は営業マンが陥る間違い

例えばECサイト上で、まったく同じ商品をA社では1000円、B社では1200円で売っていたとしたら、特別な事情でもない限りはA社から買うでしょう。

 

売り手としても、他社より安い価格で勝負するマーケティング戦略「コストリーダーシップ」は、経済の原理に則ったシンプルで強力な手法です。小売業などでは、原価をできる限り抑え、薄利多売で利益を出すビジネスモデルが王道の一つとなっています。

 

営業の世界でも、当然安いほうがモノを売りやすくなります。多くの営業マンは、自分が扱っている商品やサービスに対して「もっと安ければいいのに……」と思っているのではないでしょうか。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

ただ、実は「安くなければ買ってもらえない」という発想こそ、売れない営業マンが陥りやすい代表的な思考の一つです。

 

なんとか営業成績を上げなければならない。一つでも多く商品を売らないと……。たとえ利益率が減っても、売れないよりはましだ。そうして「とにかく買ってもらう」ことばかりを考えた結果、最もお客さまの反応が良い「値下げ」に走ってしまいがちです。

 

値下げに走ることがなぜいけないのかといえば、営業マンとしての存在価値が失われかねないからです。値段だけの話なら、結局誰から買おうが一緒ですから、買い手は競合を横並びに比べ、少しでも安いところを選ぶことになります。

 

営業マンを雇って商品を販売している会社は人件費がかかりますから、店舗や販売員をもたないECサイトに値下げ合戦を挑めるような営業会社は、まずないでしょう。仮に値下げ合戦に勝ち、その場では契約を預れたとしても、あとでお客さまがより安い商品を見つけたなら、クーリングオフは必至です。

 

「誰から買おうが安ければいい」という価格競争のフィールドに立ってしまえば、営業マン個人の存在価値は途端に薄れます。価格競争に打ち勝って契約が預れても、それで1件あたりの利益が大きく下がったなら、会社が営業マンを雇う意味はありません。

 

営業マン自身も、収入はさほど変わらないのに扱う件数ばかり増えていき、それが結果的に自分の首を絞めることになるのは明白です。値下げの先に、明るい未来はないのです。

 

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次ページ「値下げを要求されたとき」営業マンが考えるべきこと

本連載は書籍『人生が変わる「究極の営業」』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

人生が変わる「究極の営業」

人生が変わる「究極の営業」

笹村 敏夫

幻冬舎MC

営業は「どんな人でも成功できる」というと、にわかには信じ難いと思います。 しかし、営業未経験者であっても、しゃべりがうまくなくとも、正しい方向に努力すれば必ず、成功を収めることができるのです。 著者も、保険営業…

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