M&AアドバイザリーサービスやM&A後の統合作業や組織再編、事業再生などのサービスを提供する株式会社すばる代表取締役の牧田彰俊氏が、M&Aイグジットの際に、会社(株式または事業)の価値を高める方法について解説していきます。

高く売れる会社は「買い手」の気持ちにフィットする

M&Aイグジットは、ドライにいえば、会社や事業を「商品」として売るということです。もちろん、ほとんどの経営者は、自分の人生の大部分をかけて起業して会社を育てているでしょうから、そうドライに割り切れない気持ちがあるはずです。

 

また、苦楽をともにした社員の気持ちや生活を考えたときにも、会社は商品だといい切ってしまうことには抵抗を感じるかもしれません。しかしM&Aイグジットを純粋に経済的な行為として見れば、会社(株式)あるいは事業を売却してその対価を得るとき、会社は売買の対象となる商品だということになります。

 

他の一般的な商品を開発して販売するときと同様、売れる商品を作るためにはまずマーケットを知らなければなりません。マーケティングにおいて、プロダクトアウトが先か、マーケットインが先かという議論は昔からありますが、少なくともPMF※4(プロダクト・マーケット・フィット)をまったく考えずに商品販売が成功することはまれでしょう。

※4自社のサービスや商品が市場の求めるものと一致していること

 

そこで、M&Aイグジットにおいても、マーケット、つまり「買い手」がなんのために、どんな気持ちで会社を買うのかを理解することが、ポイントになります。そのうえで、そこにフィットした会社とはどんな会社かを考えるのです。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

ここでもう一つ確認しておかなければならないのは、M&Aの買い手になるのは、大きくわけて事業会社(個人事業主も含む)と、PEファンド※5があるという点です。事業会社とPEファンドとでは、M&Aの目的が異なります。そのために、求める売り手の内容も微妙に異なってきますので、内容の違いを確認しておく必要があるでしょう。

※5「プライベート・エクイティ・ファンド」の略称。機関投資家や個人投資家から集めた資金を未上場企業に投資し、IPOや売却によって利益を得ることを目的としたファンドのこと。

 

 

牧田 彰俊

株式会社すばる

代表取締役

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

シリアルアントレプレナー 連続起業家

シリアルアントレプレナー 連続起業家

牧田 彰俊

幻冬舎MC

日本でも脚光を浴びつつある『連続起業家』という生き方。 150件を超えるM&Aのサポートをした著者が、連続起業家になるための失敗しない起業・会社売却の成功サイクルを解説する! 最近広く知られるようになってきた「連続…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録