「人生100年時代」といわれています。定年後の避けては通れない課題は「お金」です。国民年金の平均受給月額は、約5万6000円。厚生年金(国民年金分含む)の平均受給月額は、約14万5000円。厚生年金には男女差があり、男性の平均受給月額は約16万5000円、女性は約10万3000円。会社員と専業主婦の場合だと、平均22万円となります。老後のお金の問題をどう解決すればいいのでしょうか。この「お金の問題」をうまくクリアできれば、第二の人生をバラ色にすることがきるはず…。本連載は長尾義弘著『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

老後暮らしの保険料は簡単に削れる

保険を見直して支出を減らす

 

支出を見直す際、真っ先に手をつけるのは保険です。

 

毎月、3万円近い保険料(世帯当たりの平均保険料)を支払っている家庭が多いのではないでしょうか。この3万円を半分にするだけで、1万5000円の節約になります。食費をやりくりしようと頭を悩ませるより、ずっと楽なはずです。

 

じつは、老後暮らしの保険料は簡単に削(けず)れます。なぜなら、大きなリスクがなくなるからです。

 

大きなリスクとは、死亡を指します。死亡したときにお金に困る人がいれば、死亡保険は重要な意味をもちます。しかし、子どもが独立したあとなら、教育費の心配も消えます。それまで入っていたような多額の死亡保障は必要ありません。

 

相続税の問題がなければ、死亡保険は解約してもいいでしょう。もっとも、払い済みになっている保険はそのままにしておいてください。

 

医療保険は、そもそも重要度が高くない保険です。ある程度の貯蓄があれば、わざわざ入る必要はありません。

 

日本の健康保険制度は優秀で、医療費の自己負担は3割です。そして年齢が70歳以上になると2割、1割と負担は軽くなります(年収によって自己負担の割合は変わります)。

 

また、入院や手術によって医療費が高額になった場合には、高額療養費制度が使えます。一般的な所得の人は月額9万円前後の自己負担で大丈夫です。年収が約370万円以下なら、5万7600円以上はかかりません。

 

現役時代は病気やケガで収入が減ることも考えられますから、ある程度の備えは必要でしょう。でも、年金は休養中であっても、減る心配はないのです。

 

介護保険に入る必要は?

 

そろそろ介護についても気になる年代だと思います。もしも介護が必要になったとき、いったいどのくらいのお金がかかるのでしょう。

 

生命保険文化センターの調査によれば、介護期間は平均で4年7か月、一時的な介護費用は69万円、毎月は7.8万円となっています。

 

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老後資金は貯めるな!

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定年の教科書 お金 健康 生きがい

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