老後暮らしの保険料は簡単に削れる
保険を見直して支出を減らす
支出を見直す際、真っ先に手をつけるのは保険です。
毎月、3万円近い保険料(世帯当たりの平均保険料)を支払っている家庭が多いのではないでしょうか。この3万円を半分にするだけで、1万5000円の節約になります。食費をやりくりしようと頭を悩ませるより、ずっと楽なはずです。
じつは、老後暮らしの保険料は簡単に削(けず)れます。なぜなら、大きなリスクがなくなるからです。
大きなリスクとは、死亡を指します。死亡したときにお金に困る人がいれば、死亡保険は重要な意味をもちます。しかし、子どもが独立したあとなら、教育費の心配も消えます。それまで入っていたような多額の死亡保障は必要ありません。
相続税の問題がなければ、死亡保険は解約してもいいでしょう。もっとも、払い済みになっている保険はそのままにしておいてください。
医療保険は、そもそも重要度が高くない保険です。ある程度の貯蓄があれば、わざわざ入る必要はありません。
日本の健康保険制度は優秀で、医療費の自己負担は3割です。そして年齢が70歳以上になると2割、1割と負担は軽くなります(年収によって自己負担の割合は変わります)。
また、入院や手術によって医療費が高額になった場合には、高額療養費制度が使えます。一般的な所得の人は月額9万円前後の自己負担で大丈夫です。年収が約370万円以下なら、5万7600円以上はかかりません。
現役時代は病気やケガで収入が減ることも考えられますから、ある程度の備えは必要でしょう。でも、年金は休養中であっても、減る心配はないのです。
介護保険に入る必要は?
そろそろ介護についても気になる年代だと思います。もしも介護が必要になったとき、いったいどのくらいのお金がかかるのでしょう。
生命保険文化センターの調査によれば、介護期間は平均で4年7か月、一時的な介護費用は69万円、毎月は7.8万円となっています。