「人生100年時代」といわれています。定年後の避けては通れない課題は「お金」です。国民年金の平均受給月額は、約5万6000円。厚生年金(国民年金分含む)の平均受給月額は、約14万5000円。厚生年金には男女差があり、男性の平均受給月額は約16万5000円、女性は約10万3000円。会社員と専業主婦の場合だと、平均22万円となります。老後のお金の問題をどう解決すればいいのでしょうか。この「お金の問題」をうまくクリアできれば、第二の人生をバラ色にすることがきるはず…。本連載は長尾義弘著『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

住宅ローンの繰り上げ返済で無借金生活に

住宅ローンの残りをまず返済する

 

金融広報中央委員会の金融リテラシー調査(2019年)によれば、60代で住宅ローンの返済が残っている人が約11.7%、70代では3.8%もいます。こうした借金が残っていると、老後破綻につながる恐れが大きいといえます。


 
60歳から先は、思っている以上に収入が減っていきます。定年後に再雇用で働いたとしても給料は激減。再雇用が終われば年金だけの生活になり、やがて企業年金なども給付期間が終わります。それなのに、まだ住宅ローンを抱えていて、ついに自己破産という例も見受けられます。

 

生活の見直し、なかでも支出の見直しは大事だという。(※写真はイメージです/PIXTA)
生活の見直し、なかでも支出の見直しは大事だという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

住宅を購入するときは、無理な返済計画を立てがちです。70歳まで続く住宅ローンを組み、退職金で完済すればいいと思っていたのに、予想より退職金がすくなくて返しきれないこともあります。

 

お金がないんだから、しかたない? そんなことをいっていたら、本当に老後破綻になりかねません。

 

ここが踏ん張りどころです。できるだけローンの繰上げ返済をして、早めに借金のない生活にもっていきましょう。そのためにも、可能なかぎり長く働くことがいちばんの策です。

 

生活レベルの修正が大切

 

働くと同時に、生活の見直しもしていきましょう。なかでも支出の見直しは大事です。定年後は大きな収入やボーナスがありません。定期的な収入は年金になります。


 
65歳で仕事をやめたとしても、体力的には現役時代と同じくらい元気です。やりたいこともたくさんあるでしょう。しかし、生活まで現役時代と同レベルにしていたら、たちまち貯蓄が底をついてしまいます。

 

この点は、しっかり頭に入れておいてください。そのときになって一気に支出を減らすことはひじょうに難しいので、じょじょに準備しておきたいものです。

 

そのためには、支出の中身を把握することが重要になってきます。

 

毎月や年間の支出を「見える化」すると、意外なところにお金をつぎ込んでいた、ムダがあったと気がつくはずです。それを見つけ、削減目標を決めてみましょう。とくに大きな支出の削減は、節約効果が上がります。

 

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老後資金は貯めるな!

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