「確定申告するのが面倒くさい」「節税したいけど、どうしたらいいか分からない」……、毎年このような声をよく聞く。日本の税制は、納税者自ら確定申告をする「申告納税制度」で、申告内容の一部は納税者の選択に委ねられているのだ。申告相談に携わった元国税専門官が、節税にはどっちが得なのか、プロの税金術を公開する。本連載は小林義崇著『元国税専門官が教える! 確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?』(河出書房新社) より一部を抜粋し、再編集したものです。

手数料がポイントを上回って損をする

ところが、結局はクレジットカード納付を使わないことにしました。調べると、デメリットがあることに気づいたからです。

 

じつは、クレジットカード納付をすると決済手数料がかかります。ふだんクレジットカードでショッピングなどをするときには、リボ払いでもない限り手数料はかかりません。ですから、私も手数料がかかるとはまったく考えていなかったのですが、納税でクレジットカードを使うときには違うようです。

 

決済手数料の具体的な金額としては、納付税額1万円あたり76円(税別)。消費税10%を加味すると約0.83%の割合ということです。

 

一方、クレジットカードのポイントはというと、一般的には0.5%程度ですから、クレジットカード納付の決済手数料のほうが高いという計算です。

 

 

しかも、クレジットカードには限度額がありますから、納税に使うことによって、限度額を使い切ってしまう心配があります。

 

以上の理由で、私はクレジットカード納付を使わないことにしました。もっとも、ポイント条件の良いカードをもっている場合は、検討する価値はあるでしょう。

 

本記事は「確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?」(河出書房新社)の一部を抜粋し、2021年5月現在の法令等に合わせ加筆したものです。法改正などにより、内容が変更となる可能性があります。

 

小林 義崇
フリーライター 元国税専門官

 

 

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確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

小林 義崇

河出書房新社

クイズ形式で出題。ベスト・チョイスはどっちか? 青色申告or白色申告。開業届を出すor出さない。家族を雇うorパートを雇う。iDeCo or小規模企業共済。郵送で申告or e‐Tax。国税専門官として数多くの申告相談に携わった著者…

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