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「中企業勤務」「大企業勤務」…単身者の生活は?
もう少し、単身者の暮らしぶりを深掘りしていきましょう。
「勤労単身者35~59歳の男女」で比較してみます。月収は男性のほうが10万円近く多いものの、消費は女性のほうが旺盛。男性よりも女性のほうがひとり身を楽しんでいるのかもしれません。
【勤労者単身者35~59歳の平均像】
●男性
「月収(勤め先収入)」43万0309円
「消費支出」17万5279円
「非消費支出」9万3789円
「黒字額」12万0274円
「預貯金純増」11万0176円
●女性
「月収(勤め先収入)」33万5492円
「消費支出」18万4686円
「非消費支出」7万0198円
「非消費支出」7万5703円
「黒字額」7万6866円
「預貯金純増」5万1376円
総務省『2020年家計調査家計収支編』より
次に勤務先の企業規模で見てみましょう。「従業員100~299人」の中小企業勤務と、「従業員1000人以上」の大企業勤務の単身者を比べてみます。大企業と中小企業で月収に10万円以上の差がありますが、消費支出の差は1万5000円ほど。高給取りの大企業勤務の単身者ですが、平均像は意外と慎ましい生活を送り、余裕分の多くは貯蓄にまわしています。
【勤労者単身者、勤務先の企業規模別平均像】
●中企業(従業員100~299人)
「月収(勤め先収入)」37万0088円
「消費支出」15万8187円
「非消費支出」8万8035円
「黒字額」12万3866円
「預貯金純増」10万0207円
●大企業(従業員1000人~)
「月収(勤め先収入)」50万0365円
「消費支出」17万2726円
「非消費支出」11万2671円
「黒字額」21万4967円
「預貯金純増」18万9577円
総務省『2020年家計調査家計収支編』より
このように、立場などで収入に差はありますが、やはり消費は1人分。家計に余裕があることが、統計調査からもわかります。
仮に平均分の貯蓄を20年続けたとしましょう。勤労者単身者35~59歳の女性であれば1233万円、大企業勤務であえば、4549万円にもなります。
もちろん途中に大きな出費もあるでしょう。しかし単身者は貯蓄だけでも大きな資産を築くことができそうです。
65歳以上の単身者…年金だけで足りるか?
もうひとつ「無職の65歳以上の単身者」についても見ていきます。65歳以上ですから、実収入はほとんど年金かと考えられます。黒字額は-7723円。毎月わずかながらの赤字。その分は貯蓄を切り崩すなどして対応していく必要がでてきます。
【無職の65歳以上の単身者の平均像】
「実収入」13万6964円
「消費支出」13万3146円
「非消費支出」1万1541円
「黒字額」-7723円
総務省『2020年家計調査家計収支編』より
赤字額は1年で9万2676円、10年で92万6760円、20年で185万3520円です。もちろんこれは平均値。年金額や住居のスタイル(持ち家か、賃貸か等)、健康状態……人によってさまざまで、それによって老後に必要なお金はいくらか、一概に言うことはできません。
しかし「老後、夫婦で2,000万円足りなくなる」などと騒がれ、年金制度への不信などから老後を不安視する傾向が強まっているなか、単身者のほうがお金の面では心配は少なくてすみそうです。