【12/7(土)開催】
従来の分散投資で資産を守れるのか?新時代の富裕層が実践する
金融大国「シンガポール」や「フィリピン永住権」を活用した新・資産防衛法
国別に株主を見ると、フィリピンが73%と大半を占め二番目が日本で10%、以下アメリカ、カナダ、ルクセンブルグ、ノルウェーと続きます。
フィリピン人保有の部分は、オーナーであるアヤラファミリーと銀行を含むグループ会社間の持ち合いが中心で、日本の場合は、事業パートナーである「三菱商事」が6%保有しています。アメリカ、カナダは投資信託などのファンドの保有が多く、ルクセンブルグ、ノルウェイの場合は、国営ファンド(ソブリンウエルスファンド)が中心と思われます。
その他の機関投資家で存在感を示すのが、シンガポールのファンド「GIC」です。中東のオイルマネーや中国からの投資は意外と少ないというのが現状です。
中国からの投資が活発になってきたのは割と最近のことですが、日本、アメリカ、カナダなどからの投資は、基本的に長年にわたる長期投資がほとんどです。また中国の投資家の多くは、機関投資家ではなく、個人投資家が中心となっています。
機関投資家マネーが戻るために必要なこと
以上が機関投資家の動きの概要ですが、先ほど述べたように、外資系ファンドの多くがすでにフィリピン株を売っているので、この後外資系ファンドからさらなる大きな売りが出ることはあまりないと考えられます。実際2020年の1日の取引量の50%程度が機関投資家であったのに対して、現時点では30%程度にまで落ちています。
ロックダウンやワクチン接種プログラムが目標を達成できるかどうかなど、今は不確実な要素が多いため、基本的に保守的な投資行動をとる機関投資家は一旦売って、状況をウォッチしている状態となっています。機関投資家が必要としているのは、フィリピンの実態経済の明確な回復シナリオです。現在、GDP予測や企業収益に関していくつかの下方修正が行われているため、機関投資家はまだこの回復シナリオに確信を持てない状況です。
逆に言うと、ワクチン接種が進み、経済の回復シナリオが明確になるタイミングで機関投資家のマネーが戻り、市場の下押し効果になると見られています。
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