世界の経済成長を運用成果に取り込みたいなら、米国の株式市場への投資が不可欠です。米国の株式市場には主にニューヨーク証券取引所とナスダック証券取引所という2つの市場があり、世界的に著名な企業がいくつも名を連ねています。米国株投資デビューするにあたって必要となる手続きと基礎知識を、マネー誌への執筆を中心に活躍するライター・安恒理氏が平易に解説します。※本記事は、『はじめての米国株1年生』(明日香出版社)から一部を抜粋・再編集したものです。

代表的な3つの株価指数、それぞれの特徴とは?

1つの銘柄の動きではなく、市場全体、あるいは特定(工業株、IT関連株など)の銘柄群の株価の動きを示す数値が株価指数です。市場の動きを探るだけでなく、投資信託のベンチマークとして使われることもあるので、チェックしましょう。

 

アメリカの株式市場には、代表的な株価指数として次の3つがあります。

 

●NYダウ(ダウ工業株30種平均株価)

●ナスダック総合指数

●S&P500

 

このうちNYダウとナスダック総合指数は、日本のニュースでも伝えられているので、なじみ深いという方も多いでしょう。

 

NYダウは米国でもっとも古い株価指数で、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社※4が選んだ30銘柄で構成されています。選定基準は、企業の成長性や投資家の注目度で、アップルやマイクロソフト、マクドナルドといった有名な企業が名を連ねます。

 

※4 もともとは経済新聞「ウォールストリート・ジャーナル」の発行元であるダウ・ジョーンズ社によって算出されていた。

 

ナスダック総合指数はナスダックに上場しているすべての銘柄を対象にしています。1971年2月5日の時価総額を100として算出しています。

 

S&P500※5は、NYSEとNASDAQの上場企業のなかから代表的な500社を対象にしています。

 

※5 NYダウと同じS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出している株価指数。

 

 

 「NYダウ」とは? 

 

対 象:米国企業を代表する銘柄

銘柄数:30

特 性

構成銘柄の平均株価を指数化

輸送と公共事業以外の業種のうち、評判が高く、成長が持続的で、投資家の関心が高い企業

「工業」以外の業種も多数入っている

 

約120年で620倍を超えるパフォーマンス
(1896年~2020年、対数グラフ)
 

出所:ブルームバーグ等をもとに作成
出所:ブルームバーグ等をもとに作成

 

 

 NYダウの構成銘柄 

 

銘柄の入れ替えはたびたびおこなわれている

 

直近では2020年8月に3銘柄が入れ替え

新しく追加された銘柄

セールスフォース(顧客管理のIT企業)

アムジェン(バイオ医療)

ハネウェル・インターナショナル(産業機械)

除外された銘柄

エクソン・モービル(石油メジャー)

ファイザー(製薬大手)

レイセオン・テクノロジー(軍用機器・航空宇宙関連)

 

過去の銘柄入れ替えの例

 

 

 「ナスダック総合指数」とは? 

 

対 象:電子株式市場「NASDAQ(店頭株式市場)」に上場している銘柄

銘柄数:3000以上

特 性

1971年2月5日の株価を基準値100とする

ハイテクやインターネット関連の銘柄多い

代表銘柄:アップルマイクロソフトアマゾンアルファベット(グーグル)フェイスブックインテルネットフリックススターバックス

 

 

 「S&P500」とは? 

 

対 象:NYSEとNASDAQ市場に上場している時価総額が大きい銘柄

銘柄数:500

特 性

1941年から43年の平均を10として指数化

大型株が中心で、分散効果が効きやすい

米国株式市場全体(時価総額)の約8割をカバーしている

 

 

安恒 理
オフィスミックスナッツ代表
現代ビジネス兵法研究会

 

※本記事は特定の銘柄の取引を推奨するものではありません。また、売買による損失について、執筆者、出版社は一切その責を負いません。投資はご自分の判断でお願いします。

 

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