住まいに関するお金の疑問や不安について、ファイナンシャルプランナーの西澤京子氏・税理士法人スマートシンク代表の菊地則夫氏監修の書籍『住宅ローン&マイホームの税金がスラスラわかる本2021』(株式会社エクスナレッジ)より一部を抜粋、編集して紹介します。

【登場人物の紹介】

尾内 星子(おうち ほしこ)さん…30歳。35歳の夫、5歳の長女の3人家族。今は家賃10万円の賃貸マンション暮らし。マイホームが欲しいけど、お金のことが心配で、なかなか行動に移せずにいる。

 

西澤 京子さん…1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、大手保険会社、デベロッパー、不動産販売会社、FPオフィス代表を経て現在は不動産関連会社勤務。

金利が低いほどおすすめ?意外な落とし穴も…

Q 金利が低いほうが毎回の返済額や、完済までの総返済額が少なくなるということは、同じ金額を借りるなら金利の低い住宅ローンほどおすすめですか?

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

星子さん 毎月返済額も利息の支払額も少なくなるなら、できるだけ低金利のローンを探して借りたほうがいいのでしょうか?

 

西澤さん 完済までの総返済額が少なくなるのは、全期間固定金利の商品を比べた場合の話です。

 

星子さん ということは?

 

西澤さん 今は、固定金利より変動金利の方が、また固定期間が短いほど金利が低くなっています。つまり、金利の低さだけでローンを選ぶと、将来的に金利が変わる可能性があるということです[図表1]。

 

星子さん 将来、金利は上がるんですか? 下がるんですか?

 

西澤さん 金利の動きは誰も確実な予測はできませんが、日本の住宅ローンの金利は、今、歴史的に見ても世界的に見ても超低金利なんです。ですから、今後大きく上がることはあっても、大きく下がることはないでしょう。

 

西澤さん 低金利時代の借り入れは、できるだけ長期間を低金利で固定するのが鉄則です。金利が低いからといって飛びつくのではなく、その金利がいつまで続くかも重視しましょう。

 

【ここがポイント!】

 

Point 01 同じ金利タイプのローンを比較する場合は、金利が低いほうが毎月返済額、総返済額が少なくなる。

 

Point 02 金利は固定金利よりも変動金利のほうが低く、固定期間が短いほど低くなる。

 

Point 03 現在の住宅ローンは超低金利。将来、下がることを期待するより、上がることを考えておこう。

全期間固定金利以外のローンはリスクがある

[図表1]全期間固定金利以外のローンは、将来、金利上昇リスクがある
[図表1]全期間固定金利以外のローンは、将来、金利上昇リスクがある

 

【注目キーワード】低金利時代

今のような低金利時代、またはこれから金利の上昇が予想される時期には、長期の固定金利型を選ぶのが得策。逆に高金利時や金利の下降が予想される時期は変動金利や短期固定金利を選択すると、総返済額で有利になる可能性が高い。

 

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