住宅ローンの返済期間とペアローンに関する疑問や不安について、ファイナンシャルプランナーの西澤京子氏・税理士法人スマートシンク代表の菊地則夫氏監修の書籍『住宅ローン&マイホームの税金がスラスラわかる本2021』(株式会社エクスナレッジ)より一部を抜粋、編集して紹介します。

【登場人物の紹介】

尾内 星子(おうち ほしこ)さん…30歳。35歳の夫、5歳の長女の3人家族。今は家賃10万円の賃貸マンション暮らし。マイホームが欲しいけど、お金のことが心配で、なかなか行動に移せずにいる。

 

西澤 京子さん…1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、大手保険会社、デベロッパー、不動産販売会社、FPオフィス代表を経て現在は不動産関連会社勤務。

住宅ローンの返済期間50年…長いほど返済が楽?

Q 住宅ローンって長いほど返済が楽になりますか? 不動産の広告などでは、返済額の試算に35年返済が使われますが35年がいちばん長い返済期間なのでしょうか?

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

西澤さん 一般的には80歳までに完済できる期間か、35年返済のどちらか短いほうが最長返済期間ということになります。

 

星子さん では、50歳の人は30年返済が最長ということですね。35年よりも長い返済期間というのはないのですか?

 

西澤さん 一部の銀行ローンの他、フラット50という50年返済が最長の住宅ローンがあります。

 

星子さん 50年返済は、毎月返済額が少なくできそうですね。

 

西澤さん 同じ借入額、同じ金利なら、返済期間が長いほど毎回の返済額は少なくなります。でも、長い返済期間で、固定期間を長くすれば、金利は高く、利息も多くなります。

 

星子さん 返済総額が多くなってしまいますね。

 

西澤さん 変動金利の場合は、返済期間が長いほど金利上昇のリスクも高くなりますよ。他にも保証料や団信保険料(金利上乗せ分)が多くかかります。一般の住宅ローンやフラット35とは借入条件も異なります。確認が必要ですね。

 

【ここがポイント!】

 

Point 01 住宅ローンの最長返済期間は一般的には80歳完済までの期間か35年の短いほう。

 

Point 02 フラット50という、50年返済の商品もある。一部の銀行にも35年を超える借入期間の住宅ローンがある。

 

Point 03 返済期間が長くなればなるほど、利息、保証料、団信保険料(金利上乗せ分)の負担が大きくなる[図表1]。

 

[図表1]返済期間によって1000万円以上の差が生じる
[図表1]返済期間によって1000万円以上の差が生じる

 

【注目キーワード】固定金利期間の長さと金利

現在、固定金利期間が長いほど適用金利は高くなる傾向にある。フラット35(20・50)の場合も同様。ただし、最近はその金利差が縮小傾向にあり、現在、フラット20とフラット35の金利差が0.1%を下回るケースもでてきた。

 

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住宅ローン&マイホームの税金がスラスラわかる本2021

住宅ローン&マイホームの税金がスラスラわかる本2021

西澤 京子 菊地 則夫

エクスナレッジ

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