アメリカの不動産投資に欠かせない3つの経済指標
アメリカの不動産市場は世界最大です。ここでのお金の動きは世界に影響を及ぼします。アメリカの不動産市場を見るときに重要な指標が以下の3つです。
①NAHBハウジングインデックス(NAHB住宅市場指数)
②エグジスティングホームセールス(中古住宅の販売戸数)
③ニューホームセールス(新築住宅の販売戸数)
①NAHBハウジングインデックスを見ると、直近で底を打ったのが2011年です(図表5)。
それに関連してNYダウで底を打ったのは約2年前の2009年3月です。つまり、ここでも「株式市場が動いてから不動産が動く」ということがいえるのです。
②エグジスティングホームセールス(中古住宅の販売戸数)を見ても、リーマンショックと同じ水準まで下がっています(図表6)。
そして、③ニューホームセールス(図表7)。不動産の世界では、新しくできた物件と中古物件では重要度が違います。価格も違いますし、マーケットも違うのです。
新築物件の場合、価格は経済に連動します。結果的に変動率が高くなります。中古物件の場合は需要によりますが、新築よりも経済の影響を受けにくい傾向があります。
また新築物件は、不動産市場の上昇が終わり始めるタイミングで供給が急増するのが一般的です。
この数年間にも特にマンションがたくさんつくられました。私が投資したベトナムでも供給が膨らんできたので、危険だと思って購入した1年後に売却しました。
なお、ニューホームセールスとエグジスティングホームセールスのデータは毎月公表されます。
コロナショックで株式市場に底=不動産投資のチャンス
不動産投資の際に、株式市場の動きとのズレをどう考えるか。株式市場と住宅価格のチャートを見れば明白です。
今回のコロナショックで株式市場が底をつけて上がり始めたとき、それが不動産を買うチャンスかもしれません。
もし不動産投資をするのであれば、確実に株式市場の底が見えて、新しい上昇サイクルに入り始めたときを狙うべきです。
マーケットは不動産でも株式でも債券でも商品でも、人々の感情・期待値で動いています。ですから、いまは期待レベルが高いと思います。
私の予測では、リーマンショックのサイクルで不動産投資をして利益を得た人はたくさん存在するため、彼らは今回もっと早く動くはずです。だから、これまでのように約2年間の遅れが生じる可能性は低いと予想しています。
株式市場がいつ底を迎えるのかはわかりませんが、IMF(国際通貨基金)は世界のGDP成長率について最悪の予測をしています。仮に今後もっと早いタイミングで底が来るとすれば、いまから情報収集を始めておいたほうがいいでしょう。
不動産を買うのは時間がかかります。良い立地の物件を見つけなければいけないですし、見つかってもそこから交渉が始まります。現地にも行かなければなりません。いまから始めて半年ぐらいのリサーチを経て、自分で勉強しながら実践していくのがいいでしょう。