不動産市場は、世界的に株式市場に遅れて上昇する傾向にあります。このことから、コロナショックを経て株式市場が底をついたときは、不動産投資のチャンスであることがわかります。特に日本の不動産市場は、先進国で唯一1990年代の価格を回復していません。来るべきときに備え、不動産の情報収集の仕方を見ていきましょう。※本連載は、2020年9月出版の高橋ダン氏の著書『世界のお金持ちが実践するお金の増やし方』(かんき出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

株式市場「底打ち」の2年後に不動産市場が動く傾向

アメリカにはさまざまなデータベースがありますが、私が特に好んでよく見ているのは「FRED」のデータです。

 

アメリカには、中央銀行であるFRBの支店的な役割を果たす連邦準備銀行が12あります。そのうちの一つ、セントルイス準備銀行が運営している経済統計データサイトがFREDです。

 

FREDでアメリカの歴史的な住宅の平均価格(ハウスプライス・インデックス)を見ると、2008年に始まったリーマンショックによる景気後退は2009年まで続きました。(図表1)

 

[図表1]FREDのハウスプライス・インデックス

 

その後、住宅価格が本当に下がり始めたのは2011年末から2012年初めです。相当な遅れがありました。

 

このときの株式市場を見ると、2009年の3月に底をつけています(図表2)。つまり、不動産価格が底をつけたタイミングとは約2年半のズレがあったのです。この点は非常に面白いと思います。

 

出典:Trading View https://jp.tradingview.com/
[図表2]リーマンショック前後のNYダウの動き 出典:Trading View https://jp.tradingview.com/

 

次に日本も見てみましょう。日本の住宅価格は2013年に底をつけ、アベノミクスで本当に上がり始めたのが2014年です(図表3)。

 

出典:tradingeconomics.com
[図表3]日本の住宅価格指数 出典:tradingeconomics.com

 

同じ時期の日経平均株価を見ると、上がり始めたのは2012年末からでした。ここでも遅れが1〜2年間あったことになります。

 

出典:Trading View https://jp.tradingview.com/
[図表4]アベノミクス前後の日経平均株価の動き 出典:Trading View https://jp.tradingview.com/

 

このように、不動産市場は株式市場の後に動くことが多いのです。同じ時期に動くときもありますが、直近の景気後退を見るとアメリカ、ユーロ圏、日本ともに不動産価格の上昇は、株式市場の上昇の約2年後に始まる傾向があるといえます。

 

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