株式市場「底打ち」の2年後に不動産市場が動く傾向
アメリカにはさまざまなデータベースがありますが、私が特に好んでよく見ているのは「FRED」のデータです。
アメリカには、中央銀行であるFRBの支店的な役割を果たす連邦準備銀行が12あります。そのうちの一つ、セントルイス準備銀行が運営している経済統計データサイトがFREDです。
FREDでアメリカの歴史的な住宅の平均価格(ハウスプライス・インデックス)を見ると、2008年に始まったリーマンショックによる景気後退は2009年まで続きました。(図表1)
その後、住宅価格が本当に下がり始めたのは2011年末から2012年初めです。相当な遅れがありました。
このときの株式市場を見ると、2009年の3月に底をつけています(図表2)。つまり、不動産価格が底をつけたタイミングとは約2年半のズレがあったのです。この点は非常に面白いと思います。
次に日本も見てみましょう。日本の住宅価格は2013年に底をつけ、アベノミクスで本当に上がり始めたのが2014年です(図表3)。
同じ時期の日経平均株価を見ると、上がり始めたのは2012年末からでした。ここでも遅れが1〜2年間あったことになります。
このように、不動産市場は株式市場の後に動くことが多いのです。同じ時期に動くときもありますが、直近の景気後退を見るとアメリカ、ユーロ圏、日本ともに不動産価格の上昇は、株式市場の上昇の約2年後に始まる傾向があるといえます。