最近、コンビニのATMで気軽にお金を借りられたり、クレジットカードで簡単にリボ払いができたりすることから、「借金」への抵抗が小さくなっているとされています。今回は、この借金の本質について解説し、消費者金融の金利がなぜ高いのかの理由に迫ります。※本連載は、大江英樹氏の著書『いつからでも始められる 一生お金で困らない人生の過ごしかた』(すばる舎)より一部を抜粋・再編集したものです。

消費者金融の金利には、貸し倒れリスクが上乗せされる

ところが、中にはあらかじめ金利の水準を表示している場合もあります。例えば住宅ローンのような場合です。この場合、たいていは融資する物件を担保に取りますから、仮に返せない事態になっても担保を処分すれば良いので、融資する人の信用度によって変える必要はないのです。

 

そしてもう一つ、カードローンや消費者金融もあらかじめ金利を表示しています。ただし、こちらの金利は、住宅ローンとは比較にならないくらい高いのが普通です。なぜ高いのでしょうか?

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

それは貸す相手の信用度をかなり低く設定しているからです。普通、こうした借金の場合、担保は取りません。一定の信用調査をすることもありますが、中には簡単な身分証明書だけで借りられることも多いのです。したがって、貸した先のうち、一定割合は返済できない先があるということを見越して、金利を決めるのです。

 

いくらあなたが一流企業に勤めていて土地をたくさん持っていても関係ありません。それなら何も高い金利のカードローンや消費者金融を利用する必要はないでしょう。現実には貸し倒れリスクのかなり高い人を対象に貸し出しているので、そういう人達に貸し倒れが発生するリスクの分まで他の利用者が高い金利を払うことによってカバーしているということです。

 

考えてみれば、本来貸すほうが負うべきリスクを他の健全な利用者に負担させるというのは納得がいかないとも思えますが、小口の融資において、いちいち信用調査をするのはコスト的にはとても合わないからでしょう。

 

いずれ、現在の中国で行われているようなアリペイの芝麻信用(ゴマ信用=Sesame credit)のように個人の信用がスコア化できるようになれば、こうした小口の金融でもそれほど高い金利を負担しなくてもよくなるかもしれません。

 

 

【関連記事】

税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ

 

親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「儲かるなら自分がやれば?」と投資セミナーで質問すると

いつからでも始められる 一生お金で困らない人生の過ごしかた

いつからでも始められる 一生お金で困らない人生の過ごしかた

大江 英樹

すばる舎

お金はあなたが幸せに暮らすための「道具」です。お金に振り回されないで生きるために、欲や恐怖、感情バイアスを取り除いて、まずはしっかりと公的年金と社会保険の真実を学ぶことで、今の生活や老後に必要な金額がわかります…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
TOPへ