消費者金融の金利には、貸し倒れリスクが上乗せされる
ところが、中にはあらかじめ金利の水準を表示している場合もあります。例えば住宅ローンのような場合です。この場合、たいていは融資する物件を担保に取りますから、仮に返せない事態になっても担保を処分すれば良いので、融資する人の信用度によって変える必要はないのです。
そしてもう一つ、カードローンや消費者金融もあらかじめ金利を表示しています。ただし、こちらの金利は、住宅ローンとは比較にならないくらい高いのが普通です。なぜ高いのでしょうか?
それは貸す相手の信用度をかなり低く設定しているからです。普通、こうした借金の場合、担保は取りません。一定の信用調査をすることもありますが、中には簡単な身分証明書だけで借りられることも多いのです。したがって、貸した先のうち、一定割合は返済できない先があるということを見越して、金利を決めるのです。
いくらあなたが一流企業に勤めていて土地をたくさん持っていても関係ありません。それなら何も高い金利のカードローンや消費者金融を利用する必要はないでしょう。現実には貸し倒れリスクのかなり高い人を対象に貸し出しているので、そういう人達に貸し倒れが発生するリスクの分まで他の利用者が高い金利を払うことによってカバーしているということです。
考えてみれば、本来貸すほうが負うべきリスクを他の健全な利用者に負担させるというのは納得がいかないとも思えますが、小口の融資において、いちいち信用調査をするのはコスト的にはとても合わないからでしょう。
いずれ、現在の中国で行われているようなアリペイの芝麻信用(ゴマ信用=Sesame credit)のように個人の信用がスコア化できるようになれば、こうした小口の金融でもそれほど高い金利を負担しなくてもよくなるかもしれません。
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