確定申告は持参、郵送、e-Tax、得なのは?
正解:「e-Tax」にすれば青色申告特別控除が増える
ここまで、おもに確定申告書の「中身」に関するポイントを解説してきました。じっさいに確定申告書を提出し、納税をする場面で気をつけたいことをまとめます。
同じ内容の確定申告書でも、提出方法や納税方法によっては損をしてしまう可能性があるので、まずは基本的なルールを理解しておきましょう。
最初に取り上げるのは確定申告書の提出方法についてです。確定申告書を作成したら、申告期限までに税務署に提出をしますが、このときに以下の3つの方法を取ることができます。
①所轄の税務署に直接持参する
②e-Taxを利用する
③所轄の税務署に郵送する
確定申告書の内容に不安がある人は、①を選びたいのではないでしょうか。たしかに、間違いがあっては困りますから、直接税務署の職員に見てもらいたいという気持ちはわかります。でも、あまりすすめられません。
というのも、確定申告の時期の税務署はひじょうに混み合っているからです。つぎからつぎへとくる納税者の対応で、職員がじっくりと申告書をチェックできる状況ではありません。じっさいに細かくチェックがなされるのは、確定申告書を提出したあとになるので、何か間違いがあれば、税務署に呼び出されてふたたび時間が取られる可能性もあります。
そこで、「e-Tax」と「郵送」のどちらを選ぶかということになります。これらの方法を選べば、税務署に行かずに確定申告を済ませることができます。
e-Taxとは、電子申告を意味します。つまり、インターネットを使って申告書のデータをつくり、税務署に送信するという方法です。私がe-Taxをおすすめする最大の理由は、これが節税につながるからに他なりません。
まず知っておいていただきたいのが、税制改正によって令和2年分の確定申告から、青色申告特別控除が従来の65万円から55万円に引き下げられるということです。ただし、その代わりに誰でも使える所得控除である「基礎控除」が38万円から48万円にアップするので、プラスマイナスゼロになります。
あわせて、この税制改正を受けて、「青色申告の人がe-Taxで申告をすると、青色申告特別控除が最大65万円になる」というルールもできました。つまり、青色申告の人がe-Taxを使えば、従来よりも所得控除額を10万円増やせるということです。
所得控除が10万円増えるということは、所得税は年間5000〜4万5000円、住民税は年間1万円を節約できる計算です。これが毎年つづくわけですから、使わない手はありません。