1989年に大卒新卒者だった「55歳会社員」の将来は?
——日本が元気だった頃
そう語られる1989年。日経平均は1月4日に30243.66円ではじまり、12月29日に38915.87円と、最高値を更新。まさにバブルの絶頂期でした。
厚生労働省『賃金構造基本統計調査』によると、当時、「大学新卒者の初任給」は平均16万900円。また国税庁『民間給与実態統計調査』によると、「会社員(1年勤続者)の平均年収」は402万4000円、男性に限ると、492万8000円でした。
2015年を100とした際の「消費者物価指数」は88.5。現在の価値に置き換えると、「初任給」は18万1808円、「会社員の平均年収」は454万6892円、「男性会社員に限った平均年収」は556万8361円となります。
2015年の「大卒平均初任給」は20万5900円、「会社員の平均年収」は420万4000円、「男性会社員に限った平均年収」は520万5000円ですから、大卒初任給の水準は30年あまりで上がりましたが、会社員の年収の水準は下落傾向にあったといえそうです。
厚生労働『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、「55~59歳大卒男性」の平均年収は835万6000円。「50~54歳」で会社員としての年収のピークを迎え、その勢いを維持しているころだといえます。
■大卒男性会社員平均年収
「20~24歳」334万2100円
「25~29歳」440万4900円
「30~34歳」523万4900円
「35~39歳」610万3500円
「40~44歳」687万6100円
「45~49歳」758万6300円
「50~54歳」869万0100円
「55~59歳」835万6000円
「60~64歳」569万2200円
「65~69歳」490万5100円
「70歳~」483万8300円
出所:厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より推計
60歳で定年を迎えて、悠々自適な生活を送るか。それとも、再雇用などで働き続けるのか。人それぞれでしょうが、あと10年で年金を受け取るようになります。
どれほどの年金を手にすることができるのか、平均的な給与を手にしてきた前提で計算すると、老齢基礎年金が78万1700円、老齢厚生年金は142万7500円。月額18万4100円、年額220万9200円程度になります。
総務省『令和2年家計調査』によると、65歳以上男性単身世帯の平均消費支出は13万6923円。年金だけでも十分に生活していける水準です。
もちろん、家族構成によって家計の状況は変わりますし、どのようなキャリアを歩み収入を得てきたいのかによって、手にする年金額も変わります。一概に「老後は年金だけで大丈夫」ということはできません。
ただバブルを経験し、元気だったころの日本を知っている現在55歳は、「年金だけで老後は安心」といえる人が多い、なんともうらやましい世代だといえそうです。
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