筑波こどものこころクリニック院長/小児科医の鈴木直光氏は著書『新訂版 発達障がいに困っている人びと』のなかで、発達障がいとどのように向き合うべきか語っています。本記事では、発達障がいの子どもの特徴や、実際の診断の様子を紹介します。

「育て方のせいではない」家族とともに向き合う重要性

「検査の結果が出たら、また予約して来てください。では、受付の前でお待ちください。C君、さようなら」と診察を終えました。

 

私は、たいてい診察の時、親御さんや祖父母のことも聞きます。それは、症状をしっかりと把握するという目的と同時に、遺伝だからこそ幼少期から発症するのであって、発達障がいは決して「母親の育て方のせいではない」ということを強調したいからです。

 

本来ならば、お子さんの発達障がいに、手を取り合って向き合っていかなくてはならない夫や祖父母にまで「自分の育て方が悪い」と非難され続けている母親に、救いの手を差し伸べたいのです。

 

「お母さんの育て方のせいではない」というと、ほとんどの母親は涙を流します。

 

発達障がいのお子さんの接し方にはちょっとした工夫が必要であり、それは慣れるまでは少し大変かもしれません。だからこそ、父親を含む家族の協力が必要です。母親は、一人で抱え込まないで家族の協力をあおいでください。

 

抱え込んで不安になったり、疲れた顔をしたりしていると、お子さんに悪影響を与える危険性があります。そして、母親が笑顔で子育てができるよう、家族、特に父親はできるだけ子育てに協力してください。

 

 

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鈴木 直光

筑波こどものこころクリニック院長・小児科医
小児神経学会認定医博士(医学)

 

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

新訂版 発達障がいに困っている人びと

新訂版 発達障がいに困っている人びと

鈴木 直光

幻冬舎メディアコンサルティング

発達障がいは治療できる 診断、対処法、正しい治療を受けるために 書版が出版されてから4年、時代の変化を踏まえて最新の研究データを盛り込み、大幅な加筆修正を加え待望の文庫化。 “「発達障がい」は治療ができない…

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