高齢化、人口減少…昨今、マンションを取り囲む状況は極めて厳しいものになっています。大阪経済法科大学経済学部教授の米山秀隆氏の書籍『限界マンション 次に来る空き家問題』(日本経済新聞出版社)より一部を抜粋・編集し、マンションの建て替えの問題点を解説していきます。

「形を変えた土地神話」マンションにしがみつく人々

区分所有権の解消のほうが合理的な面があるにもかかわらず、建て替えを優先的に考える法体系となっている。いったん所有した区分所有権は手放さず、そこに建て替えて住み続けたいという発想は、戦後の持続的な地価上昇と持ち家取得の促進に偏った住宅政策の下で形成された、所有権に対する強いこだわりと深く関わっていると考えられる。

 

今や土地神話は過去のものであるが、建て替えてまで同じ場所に住み続けたいとする人々の実際の意識や行動パターンには、いまだ土地神話時代から抜け出せていないという面もあるかもしれない。

 

他方、前述のように、寿命が短く、建て替えを当然のように考える日本の特殊なマンション事情には、マンションを分譲の形態で販売することと、老朽化した後に建て替えることに利益を見出してきた供給者側の論理がいまだまかり通っていることも色濃く反映されている。

 

こうした人々の意識や、供給者側の論理を前提にして、建て替えを重視する日本のマンション法制が次第に形成されてきたというのが、本当のところであろう。

 

 

米山 秀隆

大阪経済法科大学経済学部教授

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

限界マンション 次に来る空き家問題

限界マンション 次に来る空き家問題

米山 秀隆

日本経済新聞出版社

進む、建物の老朽化と住民の高齢化。 老朽化マンションの放置・スラム化は不可避なのか? マンションは終の棲家にならないのか? ▼老朽化したマンションの末路は、スラムか廃墟か。居住者の高齢化と建物の老朽化という「2…

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録