現代日本人の約2800万人が発症している「腰痛」のうち、2~3%が「椎間板ヘルニア」だと言われています。しかし医師に相談しても、具体的な対処法がなかったり、一生治らないといわれたりと、困っている腰痛患者が多いのではないでしょうか。今回は、現役医師である伊東信久氏が、椎間板ヘルニアの診断について解説します

椎間板ヘルニアの原因は「骨のとげ」

椎間板ヘルニアは、髄核が飛び出しているかどうかで判断するため、椎骨の間が狭くなっているだけでは椎間板ヘルニアと診断されません。また、狭くなっているところだけに症状が現れるわけではなく、患者さんによっては椎骨の間が狭くなっていない場所でヘルニアが起こることもあるのです。

 

さらに、椎間板が潰れたり変形したりすると、椎骨にとげができることが多々あります。

 

椎間板に異常が生じると椎骨の動きにも影響が及ぶので、それを止めようとして骨からカルシウムが流出して椎骨に溜まってきます。これを「骨棘(こつきょく)」といって、大きくなると血管や神経を刺激して血液循環が悪くなり、痛みやしびれなどの症状が現れるようになります。姿勢を変えたり動いたりすると症状が軽減するのが特徴です。

 

このような場合は、レントゲンにもとげは映りますから「変形性腰椎症」と診断されるケースがほとんどです。また、将来的に「脊柱管狭窄症」になる恐れがあるとして経過観察になります。

 

もちろん、椎間板ヘルニアになると必ず骨棘ができるわけではありませんし、骨棘があると必ず椎間板ヘルニアであるとも言いきれません。

 

ただ、椎間板ヘルニアの状態だと椎間板のクッションが弱くなっているため、骨棘が起こりやすいのは確かなのです。したがって、レントゲンで骨棘が見られたときは椎間板ヘルニアの可能性が高いので、MRIを撮る必要があります。

 

また、骨棘が見られなくても椎骨が変形している場合は、その状態で重力がかかれば当然、椎間板も圧迫されて飛び出てきます。ですからレントゲンで骨の変形が見られたときにも椎間板ヘルニアを疑ったほうがよいでしょう。

 

このようにレントゲンからも椎間板ヘルニアを推測することはできますが、確定診断を下すにはMRIが必須なのです。

 

 

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椎間板ヘルニア治療のウソ・ホント

椎間板ヘルニア治療のウソ・ホント

伊東 信久

幻冬舎メディアコンサルティング

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