「関係性の強調」が身につく3つの印象テクニック
本記事ではスムーズに「関係性の強調(聞き手に、これは自分に関係している話だと思ってもらうこと)」を行なうための3つの印象テクニックを紹介していきます。
1つ目と2つ目のテクニックは「社会的証明」を活用することが共通しています。
私たちは根源的に「周りの人と同じことがしたい」という欲求を持っています。さまざまな社会心理学の研究で実証されていますが、人は未知の状況に陥ったとき、周囲の人を観察し、同じ行動を取ろうとします。
これは人間が太古の時代から生き残るために集団や社会の中で生活してきた結果です。集団の大多数が取る行動を真似し、従うことが生存に有利に働くことを本能的に理解しているので、複雑化した現代でも私たちは多くの人がやっていることに影響を受けます。
たとえば、災害時に危ないと知っていても階段にわっと人が押し寄せて将棋倒しになってしまうのも、新型コロナウイルスの流行時に因果関係はないのにトイレットペーパーが品薄になったのも、パンケーキやタピオカの店に大行列ができたのも、バラエティ番組でインサートされる笑い声を聞いて楽しい気分になってしまうのも、「社会的証明」によるものです。
★多くの人がやっているから、自分も同じことをしたい
★多くの人がやっているから、正しいことに違いない
★多くの人がやっているから、真似しないと損をするかもしれない
このように、「社会的証明」の力は強く、私のような変わったタイプの人間でも、知らない分野の商品を選ぼうとすると「人気商品」に目がいき、初めての場所を旅行するときは「定番スポット」に乗っかってみようかと考えてしまいます。
これは自分が選択しようとしているものが、多くの人から認められ、支持されているかを知ることで安心感が得られるからです。
安心は行動を促します。たとえば、たくさんの好意的な口コミの集まった商品は「社会的証明」の力を借りることができ、その後も長く売れ続けることになるわけです。
こうした心理は「関係性の強調」に応用することができます。
印象テクニック①:この意見の支持率は高いと知らせる
●人は「みんながやっていること」の影響力から逃れられない
では、この「社会的証明」の最もシンプルな使い方は何かというと、「この意見の支持率は高い」と知らせることです。
たとえば、新人研修の場で参加者の関心を集めたいとき……。
「ある人材業界の大手企業の調査によると、『今までの職場で人間関係に難しさを感じたことがある?』という問いに『ある』と答えた人は実に84%にのぼりました。なぜ悩んでしまうのか。どうしたら悩みが解決するか。今日はそんな話をしたいと思います」
たとえば、パートナーに禁煙を始めてほしいと説得したいとき……。
「愛煙家の人ほど、禁煙に成功すると精神的な幸福度が高まるんだって。健康診断の結果で要再検査と出ていたよね。心配だから禁煙にチャンレジしてみてほしい。最終的にどうするかはあなたに任せるけど」
たとえば、取引先のキーパーソンの気持ちを商談に前向きに導きたいとき……。
「〇〇という商品がSNSで10代、20代の間で猛烈にバズったのをご存じですよね? 実はあれから意外な変化が起きていて、親世代の40代、50代の間でも〇〇の認知度が上がっているんです。そこで、40代、50代の顧客の多い御社から〇〇をミドルエイジ向けにアレンジした商品を出しては……と考え、企画案をお持ちしました」
今も昔も「ベスト3」や「ベスト10」を紹介するコンテンツが新聞、雑誌、テレビ、Webと形を変えながらもずっと生き残っているのは、時代は変わってもたくさんの人の支持を集める作品、商品、出来事への関心度が高いからです。
人は人気のあるものに興味を持ち、自分の趣味趣向、考え方、購買行動と関係があるかどうかを確かめようとします。そして、ある意見の支持率が高いと知ったあとは、合わせたほうがいいかなと考え始めるのです。これは合わせたほうが安全、安心ではないかという心理が働くから。
また、自分の趣味趣向、考え方、購買行動が支持率の高い意見と一致しているとわかると、それが心の支えとなって行動を起こしやすい状態になります。
つまり、あなたが話し手として「今から話す内容はすでに多数から支持されている」とアピールすることは、そのまま聞き手にとって「関係性の強調」になるのです。
●相手が反論してきたときこそ、関係性を強調するチャンス
仮にその話の内容が聞き手にとって受け入れがたいものだったとしても、「反論したい対象」という関係性が生じます。そのうえで、もし相手が反論をぶつけてきたら、それこそ影響力を駆使する大きなチャンスです。
ただし、「いや、それは間違っている」「私はこう思う」「みんなが支持しているのには理由があります」と正面から議論してしまうのは、NGです。
相手が「A」という意見を言い、「いやいや違う『B』が正しい」とやり始めたところで議論に決着はつかず、どちらか一方が言い負かす形になったとしたら互いの心理的距離は離れていくばかり。影響力を及ぼせる関係性ではなくなってしまいます。
そうではなく、反論はそのまま受け止めましょう。
「なるほど、あなたの意見は『A』なんですね。たしかに、『A』を支持する声は私も聞いています。〇〇では『A』が人気で、『A』がビジネスを成功に導いた、とも。
一方で、『B』のよさを語る人にも何人も会いました。あなたは『B』の話を聞いたことがありますか? ××では『B』が人気で、『B』がビジネスを成功に導いた要因だそうですよ」
ポイントは自分の意見として「B」を押し出すのではなく、「B」を支持している人がいると伝えること。そのうえで、「どう思いますか?」と問いかければ、相手は「A」と「B」を比較し、検討してくれます。
まさに「社会的証明」を使うことで、あなたの望む方向へ相手の思考が向かうよう影響力を及ぼすことができるわけです。
ここでもし、「いや違います。私はこう思います。なぜなら、『Bが優れている』という〇〇の声や〇〇のデータがあるからです」とやってしまったら、相手は反発を覚えます。それはそれで思考に影響を与えたことになりますが、反発され、対決してしまっては望む方向へ相手を動かすことができず、失敗です。
まずは相手の意見を認めること。そのうえで、「『A』を支持する人がたくさんいるように、『B』が大事だと考えている人も多くいるようです。あなたは、『B』とそれを支持する人たちについてどう思いますか?」と伝えてみましょう。
あなたの意図だと気づかせることなく相手を説得し、動かすのが超影響力です。
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