聞き手に「この話は自分に関係がある」と思わせる
●家族や友人ではない相手に、影響力を発揮するには?
でも、考えてみてください。
あなたには信頼できる友人、知人が何人いますか?
何十人、何百人の顔が浮かぶ人はほとんどいないはずです。親友と呼べる数人の顔、家族、恩師や師匠だと思っている何人かが、心から気を許せる存在として思い浮かぶのではないでしょうか。
何かに悩み、人生の選択に迷ったとき、あなたは彼らに相談し、そのアドバイスに耳を傾けます。なぜなら、彼らは「あなたの状況を理解し、親身になってくれる」=「信用できる人が、自分と関係性の深い話をしてくれる」からです。
つまり、関係性ができあがっている相手には、影響力を発揮しやすいわけです。
しかし、こうした信頼関係を築くまでには多くの場合、時間がかかります。
学生時代の同級生、同じ職場で働いていた仲間、趣味を通じて知り合った友達……。いずれも長い時間をともに過ごし、喜怒哀楽を伴う体験を共有したことによって、アドバイスをし合える関係が育(はぐく)まれます。
けれども、「影響力」の正体が=「時間」では、みなさんも納得しないでしょう。
そこで、今回のテーマである「影響力」という視点で考えてみた場合、他に気づくことがあります。それは、筆者もあなたも、もっと多くの人からさまざまな影響を受けているという事実です。
我々は信頼できる特別な人の言葉だけを信じるわけではありません。
ときには初めて会ったばかりの人のアドバイスに納得し、ときにはたまたま読んだ本の偉人の名言に心動かされ、ときには偶然目にしたYouTubeで話すメンタリストの言葉に影響を受けているはずです。
つまり、影響力を発揮するには「信用」と「関係性」が不可欠ですが、この2つを備えた信頼関係を結ぶのに、時間や共通体験が必須なわけではないのです。
影響力のある人は、聞き手にとって「信用できる話し手となる方法」を知っていて、聞き手に「この話は自分に関係があると思わせる術」を持っています。
言い換えるなら、彼らは聞き手を短時間で信用させ、これから語って聞かせる内容に関係性を感じさせ、相手の考えや行動に影響を与えることに長(た)けているのです。
影響力を高めるのに効果的な「3つの情報」とは
●効率的に「信用」を得て、「関係性」を築く手法は存在する
たとえば、筆者が配信している動画では、プラクティカルバリュー(聞き手に役立つ価値)を意識して、基本的に次の3つの情報を提供するようにしています。
①筆者自身も含め、視聴した人の人生をいい方向へと変化させるために使える情報
②取り巻く人間関係を改善したり、友人知人の悩みに答えられるようになったり、視聴した人が周りの人に使える情報
③コミュニケーションが円滑になる、日頃の会話のネタになるような情報
役立つ内容であることは信用を生みます。人生をよくする情報は多くの人に動画への関係性を感じさせます。
しかも、人は自分が使えると思った情報、自分が使ってみたノウハウを「こんないいやり方があるんだよ」「こんなおもしろいノウハウがあるけど、知っている?」などと、他の人にも広めたいと考えます。
これは自分が先に知ってよさを見抜いた情報を誰かに教え、相手が喜び、「あー、それ、使えるね」「いいね」となることで、承認欲求が強く満たされるからです。
聞き手にとって価値ある情報の発信を続け、1本1本の動画を積み重ねること。これが結果的に、直接会ったことのない人の考えや行動にも変化をもたらすような影響力の高さにつながっていったのです。
「大衆扇動」の研究は、この「プラクティカルバリューのある情報を発信する」のように、効率的に「信用」を得て「関係性」を築いていく手法をいくつも明らかにしています。
つまり、そのノウハウを身につけることで、持って生まれたカリスマ性や長時間かけて培った人間関係がなくても、聞き手に影響力を発揮することができるのです。
◆ポイント◆
「信用」と「関係性」を上手に操れるようになると、影響力を飛躍的に高めることができる。
メンタリストDaiGo
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