公募落選で落胆する必要なし…「IPO株」で儲ける本当の買い時

株式公開をして新規上場する企業は毎年90社程度あります。上場前に証券会社の抽選配分に申し込んで当選し、初値で売却できれば、高い確率で利益が出るとされています。しかし当選するのは至難の業で、落選ばかりで諦めている方も多いと思います。そこで公募獲得以外の「IPO株で儲ける本当の買い時」について、オリオール・アセット・マネジメント株式会社のヘッジファンドマネージャーである小野塚二也氏が解説します。

IPO銘柄は「情報通信」「サービス」の中小型株が多い

中小型株には、著名企業が多い大型株と比較して馴染みが薄い企業が多数あるため、分析に時間を要して投資するまでに時間がかかるケースもあります。しかし、中小型株の企業の業務内容は先進的なものが多く、そのなかから目覚ましい成長を遂げて株価が大幅に上昇する企業が多いことも事実です。

 

しかし、先進性を前面に押し出した企業だけが大化けするわけではありません。

 

ITを上手く活用して業態を転換した企業や、ITソリューションの活用でコストを削減して新たなビジネスを創出できる企業に変貌を遂げた企業なども大化けする可能性を秘めており、これらの玉石混合企業群は、業容や業績の変化率が激しいことも特徴です。

 

そこで、今後も成長して株価の上昇が見込める銘柄選択の方法として比較的わかりやすい、新規上場のIPO(Initial Public Offering)銘柄について考察していきます。

 

東証にある、上場のときに鳴らす鐘(※写真はイメージです/PIXTA)
東証にある、上場セレモニーのときに鳴らす鐘(※写真はイメージです/PIXTA)

 

まず、2016年以降に新規上場したIPO銘柄を見ると、「情報通信」と「サービス」のセクターにほぼ集約されていることがわかります(【図表1】)。

 

※QUICKなど各種データを利用してオリオール・アセット・マネジメントが作成
[図表1]セクター別IPO銘柄数(2016年1月~2021年3月)QUICKなど各種データを利用してオリオール・アセット・マネジメントが作成

 

「情報通信」と「サービス」は、旧来型の日本企業にはない先進的なテクノロジーが内包されている企業が群雄割拠しているセクターです。しかし、比較的起業しやすい業種であることから、安易なIPOも目立つセクターとも言えます。

IPO銘柄への投資は、公募獲得より上場後がチャンス

IPO銘柄への投資で比較的簡単に利益を得る方法は、上場前に証券会社の抽選配分に申し込み、当選したら公募価格で購入して初値で売却することです。2016年からのデータでこの方法を検証すると、勝率は80%を超えています。公募価格から初値の上昇率の平均は96%強で、公募価格のほぼ倍の初値がつく格好です。

 

しかし、抽選でIPO銘柄を獲得する競争倍率はとても高く、たとえ当選しても僅かな株数しか購入できないので、公募獲得を狙う方法は運用の柱としては計算できません。

 

一方、2016年から2021年4月までのデータを検証すると、初値で買ってずっと保有した場合の勝率は47%程度となり、逆に言うと、半分以上のIPO銘柄は初値を下回って損失が発生していることになります。

 

しかし、初値から大幅に上昇している銘柄もあることも確かで、この場合の平均上昇率は40%程度です。そのため、単純に全銘柄を等しいウエイトで買えば、理論上はトータルで利益を出せることになります。

 

また、IPO銘柄の初値から上場来高値までを検証すると、約60%程度の銘柄が、50%超の上昇率となっています([図表2])。

 

※QUICKなど各種データを利用してオリオール・アセット・マネジメントが作成
[図表2]IPO銘柄の初値から上場来高値までの上昇率ごとの銘柄数QUICKなど各種データを利用してオリオール・アセット・マネジメントが作成

 

このデータから、すべてのIPO銘柄の初値を買ったとしても、売るタイミングを峻別して銘柄の特性をしっかりと考えて運用すれば、それなりのリターンが期待できる戦略であると考えられます。

 

上場初日のIPO銘柄は売買が殺到してお祭りのような状況になりますが、運用面で考えれば、実は上場日以降が本来の投資機会となることがおわかりいただけたと思います。

 

 

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オリオール・アセット・マネジメント株式会社
取締役
ヘッジファンドマネージャー 

日系証券会社の株式部株式先物課で、主に先物のプロップトレード、対顧客トレーダー、セールストレーダーを経験。2000年より三和証券(現・三菱UFJモルガンスタンレー証券)の立ち上げに参加。トレーディングチームヘッドを務める。2006年よりピクテ投信投資顧問でトレーディング部長、シニアファンドマネージャーを歴任後、2019年より現職。保有資格は、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト、計量経済学修士。

著者紹介

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