株価が決まる要素で最もウェイトが高いのは「企業の業績」だといわれています。しかし、マーケットで20年以上にわたって活躍している現役ファンドマネージャーの小野塚二也氏は、「企業業績がベースとなるPERや、PBR、配当利回りなどの指標だけで株価の先行きを見通すのはかなり難しい」と指摘します。投資のプロが株を買う時に最も重視していることを解説します。

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株価を形成する3要素で最も大きなものは「企業業績」

株価を形成する要素は?(※写真はイメージです/PIXTA)
株価を形成する要素は?(※写真はイメージです/PIXTA)

 

株価を形成する要因は様々ありますが、大きく分けると次の3つに大別できます。

 

①企業業績
②需給など市場内で起きている要因
③景気動向や為替動向に加えて、金融緩和や財政出動など企業の業績外で起きている「間接的な要因」

 

①の企業業績は、株価形成の根幹をなすものです。

 

②の需給については、たとえば日本銀行(日銀)の上場投資信託(ETF)の買い入れなどです。現在日銀は、新型コロナウイルス対策で年間6兆円を原則として、年間12兆円を上限まで買い入れ目標を引き上げています。この日銀の買いは、企業の業績とは関係なく、金融緩和措置の一環として買い需要を生み出しています。

 

また、ファンドの解約売りなどで株価が下落することもあります。このファンドの解約売りも、個別企業の業績とは関係なく、売り需要を作り出しています。他にも市場心理や思惑などでも株価は動きます。多くは一時的な要因となりますが、日銀のように継続的に株を買い続けるとなると、企業業績に対して買い需要分だけ上乗せ評価をする必要が出てきます。

 

長期的な売り需要が起きているのであれば、マイナス評価する必要が生じることになります。③の為替動向、マクロ経済指標、地政学リスクや景気サイクル(シクリカル)などが含まれ、一時的には最も頻繁に株価を動かす要因となります。

 

特に金利動向については、株価にとって重要なプレミアムを形成する大きな要素であり、株価を動かす大きな要因となります。株価はこれらが複雑に絡み合って形成されているのですが、多くは一時的な要因であり、最終的に株価は企業業績に収斂(しゅうれん)していくものだと考えます。

 

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