運用は、リスクに見合ったリターンをあげることが重要
一般的にリスクとは危険と定義されることが多いと思いますが、マーケットの世界ではリスクとは変動率の大きさで捉えられます。では、マーケットにおける変動率の大きさとは何でしょうか。
マーケットではボラティリティが高まる、などといったいい方をしますが、主に次の2つの意味で使われています。
①ヒストリカル・ボラティリティ:過去の変動率の標準偏差
②インプライド・ボラティリティ:実際に売買されているオプション価格から求めるもの。
②は、米国ではS&P500指数のオプション価格から逆算して求められる恐怖指数といわれているVIX指数が有名です。
いずれの場合も下げ相場においてボラティリティは上昇し、上げ相場ではボラティリティは低下する傾向が強いことが特徴です(図表)。相場は往々にして下落は急激で上昇は緩やかであることから、相場の格言でも「上げ100日、下げ3日」といわれています。
このように、リスクが市場の予測できない変動率であると考えれば、上昇でも下落でも同じリスクとなりますが、恐怖指数などといわれるように、リスクとは下落であると捉えられるわけです。
一方、運用の世界ではリスクとはリターンの裏返しであると考えることが多いです。すなわち、リスクに見合ったリターンをあげることが重要であり、リスクのない世界(マーケットが変動しない世界)ではリターンをあげることは困難である、ということになります。
リスクとリターンの関係を数値化した「シャープレシオ」という指標を聞いたことがあると思いますが、これは、次の計算式で表されます。
(ポートフォリオの収益率-無リスク資産)÷ポートフォリオ収益の変動率の標準偏差
ポートフォリオの中身にもよりますが、株式のポートフォリオであれば、一般的にシャープレシオは1を超えていれば合格ですが、0.5以上でも及第点といえます。
変動率が高くなればそれに見合ったリターンをあげなければならないわけですから、分散投資を通じて相場の変動率を抑えて、収益力を高めるタイプのポートフォリオを構築することが有効になるとされています。
ところが、この分散投資は少々厄介です。様々な金融商品があるなかで、それぞれ逆相関や相関性のない資産を組み合わせて、変動率や収益性を加重平均してポートフォリオを構築することになるので、そう簡単に最適なポートフォリオは構築できませんし、コストもばかになりません。
市場は日々変化しますから、今日最適なポートフォリオの組み合わせが明日も有効であるとは限りません。債券と株価の関係も常に逆相関ではありませんし、ドル・円と株価の関係も同様です。
そこで、もう一つの選択肢として考えられるのが、リスクに見合ったリターンをあげている絶対収益型のファンドを選ぶことです。
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