本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

外需主導の景気回復が継続

■米国の力強い景気拡大に引っ張られる形で、メキシコでも景気の回復傾向が続いています。

 

■コロナウイルスの感染拡大により21万人を超える国民が既に亡くなっていますが、財政政策など政府の景気対策は小粒なものに留まっています。さらにワクチン接種もスピード感を欠くことから、当面は外需主導の緩やかな景気回復に留まるものと見込んでいます。

 

(注)政策金利は2018年1月1日~2021年4月21日。消費者物価は前年同月比、2018年1月~2021年3月。 (出所)FactSet、メキシコ中央銀行のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
政策金利と消費者物価 (注)政策金利は2018年1月1日~2021年4月21日。消費者物価は前年同月比、2018年1月~2021年3月。
(出所)FactSet、メキシコ中央銀行のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

インフレの加速傾向に注意

■緩やかな景気回復が続く一方で、インフレに加速傾向が見られる点は注意が必要です。これはエネルギー価格の上昇や、前年のインフレ率がコロナ禍により大きく下がってしまったことが原因です。

 

■メキシコの中央銀行は2019年の夏から金融緩和を続けてきましたが、足元のインフレ水準はその物価目標の上限を上回っています。

 

■現状のインフレ水準が続く状況では追加的な緩和は難しくなりますが、一方で短期金利の下げ止まりは通貨ペソにとって一定の下支え効果になると期待できそうです。

 

(注1)データは2018年1月1日~2021年4月21日。 (注2)メキシコペソ/米ドルは逆目盛。 (出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
メキシコペソ (注1)データは2018年1月1日~2021年4月21日。
(注2)メキシコペソ/米ドルは逆目盛。
(出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

経済正常化でメキシコペソは急落前の水準を目指す展開

■メキシコペソは米国がけん引する世界経済の正常化期待を映して、昨年春に急落した水準からの回復傾向が続いています。今後も国内経済の正常化や短期金利の下げ止まり、さらに資源価格の上昇による産油国通貨としての再評価の動きから、昨年の急落前の水準を目指す堅調な推移が続くものと見込んでいます。

 

■年初から続いてきた米国の長期金利上昇に一服感が出てきたことも、世界的な金融市場の安定化を通じてメキシコの通貨や債券価格の下支えとなるものと考えています。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『メキシコペソは回復傾向が継続』を参照)。

 

(2021年4月22日)

 

関連マーケットレポート

2021年3月29日 メキシコ、政策金利を据え置き中立姿勢へ

2021年2月12日 メキシコ、政策金利を4.00%へ引き下げ

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