「きょうだい、あんなに仲がよかったのに」と涙
そして、倒れてから2年後に亡くなりました。夫の両親は老後のためにお金を貯めていて、舅の介護にまつわる費用はそのお金で賄うことができました。「介護の費用は親のお金で」が守れたわけです。
子どもに迷惑をかけることなく逝った舅は「さすがだな」とHさんも感心し、介護の手伝いができたことをうれしく思っていました。ところが、です。舅の遺産をめぐって、夫のきょうだいとの間に問題が起きたのです。
夫の兄と弟は、「母親が半分相続して、残りは子ども3人で平等に分けるべき」と主張しましたが、Hさん夫婦は納得がいきません。なぜなら、Hさんは舅の介護のためにパートを減らしたために収入が減り、子どもの教育費をつくれなくなってしまったのです。
その上、2年間、実家との往復の交通費もすべて自己負担。その結果、H家が本来貯えられたはずのお金が、父親の介護のために消えてしまったのだから、「少し多めにもらいたい」と、兄と弟に申し出ました。
しかし彼らは、「そんなのはそっちの家の事情だろう。俺たちには関係ない」と言って譲らず、遺産分割協議は暗礁に乗り上げたままに。正直なところHさんは「もう、いい」と思っていますが、夫は「冗談じゃない。あいつらに負けてたまるか」の一点張り。
その様子を見て「きょうだい、あんなに仲がよかったのに」と涙する姑が気の毒でしょうがないと、Hさんは胸を痛めていました。実は、この話をしてくれたHさんは、前述したようにパートを減らしたことで、教育資金の積み立てが当初の予定とは大幅に違ってしまったため、進学費用をどうしたらいいのかのご相談に来た方です。
再度ご相談にいらした時に、その後の話を聞きました。その後まもなく、お姑さんが心労もあってひどく体調を崩し、入院。場合によっては、このまま亡くなることもあると医師に言われたため、遺産分割を急ぐことになり、母親のために泣く泣くHさんの夫が折れて、子どもたちはそれぞれ6分の1を相続しました。
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