米国の代表的な株価指数であるNYダウは、コロナ禍にもかかわらず2021年5月10日に35,000ドルを一時突破しました。今回は、過去の値動きの推移による経験則から、現在の株価の位置について考察します。※本連載は、菊地正俊氏の著書『No.1ストラテジストが教える 米国株投資の儲け方と発想法』(日本実業出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

米国株は過去に10~20年で株価が10倍になっている

ニューヨークダウが1983年の1000ドル台から、1999年に1万ドルと再び10倍に上昇したのは、ボルカーFRB議長によるインフレ抑制、レーガノミクスやクリントン大統領の政策による経済成長、コーポレートガバナンスの改善などが背景としてありました。

 

レーガノミクスで強い米国の資本主義が復活しました。りそなアセットマネジメントの黒瀬浩一チーフストラテジスト兼チーフエコノミストは、米国株価の長期波動の決定要因として、資本と労働の相対的力関係と米国の覇権の安定性が二大要素だと指摘しています。

 

2000年のITバブル崩壊以降、2008年のリーマンショックもあり、ニューヨークダウは2012年まで1万ドル前後の動きが続きました。

 

ニューヨークダウは2009年3月を大底に2020年3月にコロナ危機で急落するまで、約4倍に上昇しましたが、「10〜20年で10倍の株価上昇」という経験則に基づくと、ニューヨークダウは10万ドルを目指す途中にあるのかもしれません。

 

世界的な超低金利による金余り、AIやIoTなどを背景とする第4次産業革命が株価上昇の背景です。

 

ニューヨークダウは2020年2月に2万9550ドルまで上昇した後、3月に一時2万ドル割れになりましたが、その後一本調子に回復し、11月24日に初めて3万ドルを超えました。いずれにせよ、ニューヨークダウには経済や産業構造の長期変化を背景にした長期サイクルがあるので、その趨勢を見極める必要があります。

 

菊地 正俊

みずほ証券エクイティ調査部 チーフ株式ストラテジスト

 

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

※本文書は貴社の責任と判断で利用いただくものであり、弊社は、貴社又は第三者が本文書に基づいて行われた検討、判断、意思決定及びその結果について法律構成・請求原因の如何を問わず一切の責任を負わないものとします。

No.1ストラテジストが教える米国株投資の儲け方と発想法

No.1ストラテジストが教える米国株投資の儲け方と発想法

菊地 正俊

日本実業出版社

絶好調の米国株市場には、Amazon、グーグルなど日本人もよく知るハイテク企業に加えて、ビデオ会議システムのZoomなどの急成長企業の存在があります。 そうした「日本株より面白くて儲けやすい」米国株投資に関する解説書の決…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録