過去10年は「4月末に売り、8月末に買う」戦略が有効
米国では「Sell in May」(5月に売れ)ということわざが有名ですが、「Sell in May and Go Away」とか「Sell in May and Come Back in September」というもう少し長めの言い方もあります。
5月の何週目に売って、9月の何週目に買ったらよいのかは明示されていませんが、一般には5月のメモリアルデイ(5月の最終月曜日)に売って、レーバーデイ(9月の第1月曜日)に買うとも言われます。ただし、皆が相場の季節性を意識すれば、早めの行動に出る投資家が増えて、季節性が早まります。
ネットを検索すると、“Sell in May and go away” targets market activity between May 1 and Halloween(10月30日)というものもあります。
夏休みに投資家が休みを取るから、夏場に安い傾向があるともいわれますが、本当の理由はわからないからアノマリーだともいえますし、期間の取り方によって、パフォーマンスは異なります。
以前は1月相場が高いという意味で、「January効果」と言われましたが、いまは1月よりも年末相場が高いことが知られています。
過去10年(2010〜2019年)のニューヨークダウ、S&P500、ナスダック指数はいずれも5月と8月がマイナスのリターンになっています([図表1])。
過去10年に4月末に売って8月末に買う戦略を取ると、3株価指数は11〜13%のリターンになる一方、8月末に売って4月末に買う戦略を取ると、ナスダック指数は平均プラス2%のリターンですが、他の2つの株価指数はマイナスのリターンになります。
逆に、過去10年でパフォーマンスが良い月は2月、7月、10月で、7月はサマーラリーという言葉が当てはまりそうです。
過去20年では9月のパフォーマンスが最も悪い一方、10〜11月が良い傾向があります。
『Stock Trader’s Almanic 2020』(5827円出せばアマゾンで買ってKindleで読めます)という長期のデータブックによると、1950年1月〜2019年5月の長期で、S&P500の月次パフォーマンスが最も良いのが11月、2番目が4月である一方、最悪は9月で、ワースト2が8月です。
大統領選挙があった2020年11月に、S&P500は11%の上昇と大幅高になりました。ニューヨークダウだとパフォーマンスが良いのが4月、2番目が11月である一方、悪い月は9月、6月、8月、5月の順なので、「Sell in May」の傾向は昔からあったといえます。
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