50歳という人生の分岐点で「枯れる人」が多く存在します。多くの場合、原因は、年相応の魅力、50代からの転職、人付き合いについて「勘違い」をしていること。長年人間教育に携わり、稀代のリーダーたちと交わってきた筆者が、「人間関係」を軸に気を付けるべきポイントを解説します。※本連載は松尾一也著『50代から実る人、枯れる人』(海竜社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

50代の時の良い人間関係は、70、80代の幸せに直結

【50代から枯れる人=人間関係から枯れていく】

 

YouTubeで「TEDカンファレンス」の映像を見て、背筋が震えるほどの感動を覚えました。

 

「人生を幸せにするのはなに?」…なんとシンプルに最も大切で重要なことを伝えているのだろう! と。

 

一生を通して私達を健康で幸福にしてくれるのはなんでしょうか。

──最高の未来の自分のために投資するべきものとは?

──自分の時間とエネルギーを使うべきものとは?

──最も大切な人生の目的とは?

 

これはハーバード大学が1938年から約80年、724名の男性を調査し続けた史上最も長期間に渡って成人を追跡した研究です(ハーバード成人発達研究)。

 

そして4代目所長のロバート・ウォールディンガー教授によると、その答えは…「私達を健康に幸福にするのは、良い人間関係に尽きる」なのです。

 

はぁ? と感じる人もいるかも知れませんが、50歳を超えた多くの人はうなずき、共感することでしょう。

 

私も人間育成の仕事に30年従事してみて、まさにその通りだと思います。

 

特に50代の時に良い人間関係に恵まれていると、70代、80代の時に健康で幸せを実感している比率がかなり高い、という研究結果が出ているのだそうです。

 

ロバート・ウォールディンガー教授が紹介している作家のマーク・トウェインの次の言葉は心に刺さるものがあります。

 

「かくも短き人生に、争い、謝罪し、傷心して、責任を追及している時間などない。愛し合うための時間しかない。それがたとえ一瞬にすぎなくても、良い人生は良い人間関係で築かれる」

 

人が実るも枯れるも、その人の「人間関係」次第ということです。

出会いは量より「質」を重視

50代から枯れる人=「付き合い貧乏」になりがち】

 

若い頃から仕事柄「人脈の達人」と呼ばれることがありますが、50代になってつくづく思うことは「人間関係は量でなく質である」ことです。

 

そもそも「人脈」という言葉があまり好きではありません。

 

若い頃、「出逢い」を求め色々な会合やパーティに参加していました。

 

その中には無為な会もたくさんありました。

 

たんに自分の客を求める人、売名行為に走る人、自分の自己重要感を高めに来た人。たくさんの名刺が集まり、ホルダーが溢あふれかえりましたが、今でもお付き合いが続いている人はほんの一握りしかいません。

 

仕事先の人も形式的に名刺交換をする人も多く、名刺の数がその人の価値を決めるものではありません。人脈、金脈、疲れる脈です。「人生にムダなし」なのですが、50歳を超えたら、もう出逢いの量を求めるのはいかがなものかと思います。

 

50代からは少し社会の窓を閉じ気味の方が、バランスがいいようです。コピーライターの糸井重里さんの言葉が身に沁しみます。

 

「自分にとって、ほんとうに大事なことってなんだろう

 

自分にとって、ほんとうに大切な人って誰だろう

 

このふたつを、本気で思っているだけでいい人生が送れるような気がする」

 

限られた時間の中であれもこれもは関われない現実を知り、今いる周りの人(家族、親友、同僚)を大事にする。本当に会いたい人を訪ねてみる。出逢いの質に注目して生きてみたいものです。

 

 

松尾 一也

株式会社ルネッサンス・アイズ

 

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

50代から実る人、枯れる人

50代から実る人、枯れる人

松尾 一也

海竜社

50代というのは、仕事においても家庭においてもこれまでと違うことが噴出します。 責任ある大きな仕事を仕切る/子供の教育の総仕上げ/親の介護、看病、見送り…といったライフイベントが迫るかと思えば、一方では、別会社…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録