父亡くなり仰天事実が発覚!「贈与税未払い」の長男の運命は?

不動産を購入する際、その費用を夫婦や親子など、共同で拠出するケースがありますが、その場合、法務局への登記は、拠出した金額の割合に応じた共有持分により申請する必要があります。しかし共有持分の登記が適正に行われていなかったり、お金を出していない人の名義が入っていたりする場合も。そのような場合の税務上の取扱いや対応方法について、相続・事業承継専門の税理士法人ブライト相続の山田浩史税理士が、事例を織り交ぜながら解説していきます。

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事例:長男名義の建物で同居していた父に相続が発生

Bさん家族とともにBさん名義の建物に同居していたAさんが令和元年10月に他界しました。Aさんの相続人・遺産は以下の通りです。

 

【相続人】 Bさんのみ
【遺産】 合計6,000万円
①土地 5,000万円(Aさんが住んでいたBさん名義の建物が建っている土地)
②金融資産 1,000万円

 

この場合、遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×相続人の数)である3,600万円を超えるため相続税の申告が必要となります。

 

ただし、小規模宅地等の特例により土地の評価額が8割減額されることで課税対象財産額は2,000万円(「土地5,000万円×(1-0.8)=1,000万円」+「金融資産1,000万円」≦3,600万円)となるため相続税の納税額は発生しないという、申告手続きとしてはシンプルな内容になることを当初は想定していました。

 

申告手続きの準備を進める中で、一見すると相続財産にはならなそうなBさん名義の建物の登記情報を確認しました。すると、建築年月が平成30年9月であること、抵当権は設定されていないことがわかりました。

 

特に、抵当権が設定されていない(住宅ローンを組まず現金で取得した)ということでその建築資金をどのように用立てしたのかが気になるところであったため念のためBさんに聞いてみたところ、実は建築費用は3,000万円でそのうち2,000万円はAさんが拠出したということが判明しました。なお、贈与の認識はないためその手続きは行われていません。

 

拠出額と登記名義が異なる場合の税務上の取扱い

事例のような場合、Bさんは1,000万円しか拠出していないのにもかかわらず3,000万円の建物を取得したことになっているため、原則として2,000万円をAさんから贈与されたものとして取り扱われます。

 

その根拠として、相続税法9条及び相続税法基本通達9-9では下記のように定められています。

 

「相続税法9条(一部省略)」

対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で利益を受けた場合においては、その利益を受けた時において、その利益を受けた者が、その利益を受けた時におけるその利益の価額に相当する金額をその利益を受けさせた者から贈与により取得したものとみなす。

 

「相続税法基本通達9-9」

不動産、株式等の名義の変更があった場合において対価の授受が行われていないとき又は他の者の名義で新たに不動産、株式等を取得した場合においては、これらの行為は、原則として贈与として取り扱うものとする。

 

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税理士法人ブライト相続 税理士

東京都杉並区出身。2012年、税理士法人レガシィ入社。200件超の相続税申告、相続税還付、税務調査対応、譲渡所得税申告、遺言書作成その他の相続対策コンサルティング業務など、数多くの資産税関連業務に従事。2019年、税理士法人ブライト相続入社。

著者紹介

連載実例で解説!相続専門税理士が教える「あなたに合った」相続対策

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