亡父が遺した「タワマン」…手付金800万円だけ払っていたが

相続税対策として注目されてきたタワーマンションですが、近年は税務署もその動向に注視していると言われています。今回は相続が発生する直前にタワマンを購入した事例について、相続・事業承継専門の税理士法人ブライト相続の戸﨑貴之税理士が、相続税上の取り扱いについて解説していきます。

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「タワマン」売買契約直後に相続が発生

相談者の長男の父は長年住んでいた自宅がありましたが、区画整理が行われることが決まっており、立ち退きを行うことが確定していました。

 

そのため、駅前に建築中であるタワーマンションを自宅として使用することを考え、購入金額8,000万円で売買契約を締結しました。

 

その年の12月に売買契約を締結し、手付金として800万円の支払いが完了し、翌年2月、建築中であり最終金7,200万円の支払いが未払いの状況で相続が発生しました。

 

※画像はイメージです/PIXTA
※画像はイメージです/PIXTA

相続税法上における不動産の評価方法は?

買主に相続があった場合には、購入した不動産の取り扱いとしては、不動産を引き渡すための請求権という位置付けになります。

 

そのため、原則としては、その売買契約に基づく購入不動産の購入金額8,000万円が評価金額となります。また、相続開始時における残代金である金額7,200万円は債務として控除対象となります。

 

ただし、実務的には、購入した不動産を相続財産として、財産評価基本通達による路線価による評価を行うことが“例外的”に認められる可能性があります。

 

この例外的な取り扱いが認められるか否かという判断のポイントは下記の通りとなります。

 

1.売買契約締結に伴い、不動産の所有権が買主に移転しているか

2.不動産の購入金額と相続税評価額が著しく乖離していないか

3.不動産の購入が相続税の負担を回避することを目的としていないか

タワマンにつきまとう相続税申告における否認リスク

高さ60m、または20階以上の高層マンション、いわゆるタワーマンションにおいては、『市場価格』と『相続税評価額』の間で著しい価格の乖離差が生じやすくなっており、その価格差を利用して相続税の節税対策として活用する事例が増えています。

 

近年ではタワーマンション内において低層階と高層階の固定資産税の負担金額に差を設け、税務署もタワーマンションに対して注視しているといえます。

 

また、相続税においても、タワーマンションを購入した事例において、路線価による評価額ではなく、市場価格により評価を行うようになり、納税者側が否認された事例がありました。

 

それではタワーマンションはすべて時価で評価を行わなくてはいかないのか?というと一概にそういうことでは決してないと考えられます。

 

これまでに否認された事例を見てみますと、下記のようなポイントにより否認されたということが考えられます。

 

1.タワーマンションを購入した目的が理にかなっているか

2.市場価格と相続税評価額と著しい乖離が生じているか

3.購入のための借入金の融資理由が相続税の節税となっていないか

4.購入者が高齢の場合、本人の意思能力を有しているか

(親族による代理購入でないか)

5.相続発生日から近い時期に購入や売却が行われていないか

 

税務署においては、行為者による通常ではありえないような不自然かつ不合理な取引形態を採用していると捉えられ、節税という位置付けから、租税回避行為とみなされてしまうことになります。

 

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税理士法人ブライト相続 税理士

群馬県太田市出身。2011年、税理士法人レガシィ入社。300件超の相続税申告、相続税還付、意見聴取・税務調査対応、譲渡所得税申告、相続顧問、遺言書作成、家族信託その他対策コンサルティング業務など、数多くの資産税関連業務に従事。2019年、税理士法人ブライト相続入社。

著者紹介

連載実例で解説!相続専門税理士が教える「あなたに合った」相続対策

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