主要な株価指数が最高値更新…米株高はいつまで続く?
ところで、ここでもう一つ注目したいのが米国株の動きです。上述のように、米景気の「絶好調」に対して米金利は低下していますが、米国株は、NYダウなど主要な株価指数が軒並み最高値を更新する、とても分かりやすい展開となっています(図表4参照)。ではこの株高はいつまで続くのでしょうか。
テンポよく株高が続くなかで、徐々に「上がり過ぎ」懸念の兆しも出てきています。たとえば、NYダウの90日MAからのかい離率は、プラス8%以上に拡大してきました(図表5参照)。経験的には、同かい離率がプラス10%前後まで拡大すると、短期的な「上がり過ぎ」警戒域といえそうです。
ちなみに、NYダウの52週MAからのかい離率はプラス20%程度まで拡大、2000年以降でのかい離率の拡大は、ほぼ最大となっています(図表6参照)。以上のような移動平均線からのかい離率は、米国株にも短期的な「上がり過ぎ」の懸念が出てきたことを示しています。「上がり過ぎ」の反動で米国株も下落するなら、株安が米金利低下とそれに伴う米ドル/円下落を後押しする可能性も考えられます。
吉田恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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