「4/19~4/25のFX投資戦略」のポイント
[ポイント]
・先週の米ドル/円は米金利低下に連れて続落した。注目されるのは、米景気「絶好調」でも米金利低下が広がったことだが、これは「上がり過ぎ」の反動の影響が大きいだろう。
・今後も「上がり過ぎ」反動の米金利低下が続く可能性あり。その影響で米ドル/円も続落リスクが高まる。米国株に「上がり過ぎ」の兆しが出てきた点に注目。
米景気「絶好調」のなか、米金利は低下…一体なぜ?
先週の米ドル/円は続落し、109円を割り込んできました。これは、米金利が低下し、日米金利差米ドル優位が縮小したことが原因だといえるでしょう(図表1参照)。
なぜ米金利が低下したのか、気になる方は多いのではないでしょうか。
先週発表された米景気指標も、3月小売売上高など、予想を上回る結果が相次ぎました。米景気の「絶好調」を尻目に、米金利、たとえば米10年債利回りは一時1.6%を大きく下回る動きとなっています(図表2参照)。
米10年債利回りを90日MA(移動平均線)からのかい離率で見ると、一時プラス50%以上に拡大していたところから、先週、プラス20%程度まで縮小しています(図表3参照)。同かい離率がプラス50%以上に拡大したことは、経験的には空前の「上がり過ぎ」だったといえるでしょう。
以上のように見ると、最近にかけて米景気の「絶好調」を示す結果が相次ぐなかでも、すでにそれを先取りしたかのように、米金利は空前の「上がり過ぎ」となっていたので、行き過ぎた動きの反動による低下が広がっている、と考えると辻褄が合います。
"バイ・ザ・ルーマー、セル・ザ・ファクト"通りの展開
相場の格言の一つに、「バイ・ザ・ルーマー、セル・ザ・ファクト(噂で買って、事実を確認して売る)」というものがあります。米金利は、米景気回復の回復を先取りする形で急上昇し、景気指標でそれを確認すると、逆に低下に転じています。最近の米景気と米金利の関係にぴったりの言葉だといえるでしょう。
米ドル/円は米金利の影響を受ける動きが続いており、その米金利は米景気指標の結果よりも「上がり過ぎ」の反動の影響が大きいため、この先の行方を考える上でも「上がり過ぎ」の反動には要注目です。
改めて米10年債利回りの90日MAからのかい離率を見ると、今回のように「上がり過ぎ」の反動が広がると、かい離率はゼロ前後まで縮小することが少なくありませんでした。要するに、「上がり過ぎ」の反動で、米10年債利回りは90日MA前後まで低下することが少なくなかったわけです。
足元の米10年債利回りの90日MAは、1.3%程度まで上昇してきましたが、「上がり過ぎ」の反動による米金利低下が90日MA前後まで続くなら、たとえば1.4%を目指しさらに低下が続く可能性があります。
そして、米ドル/円はそんな米金利に連動する状況が続いています。ということは、米10年債利回りが一段と低下する場合、米ドル/円も続落する可能性が高いのです。
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