慢性的な不調や疾患の正体は「腸もれ」⁉
人生の幸不幸を左右してしまう慢性的な不調や疾患。どうしてなかなか抜け出せなくなってしまうのでしょうか。その疑問を解くキーワードとして、近年注目されているのが「腸もれ」です。
「腸もれ」と聞いてみなさんはまず何を思い出すでしょうか?
水もれ、雨漏り、尿もれ、あるいは情報がもれる、など、「もれる」という言葉はたいてい、悪いことに使われます。本来しっかり閉じていなければならないところになんらかの理由で穴があくなどし、中のものが出ていってしまう、そんな意味合いです。
口から取り込んだ食物は、栄養素の大部分が小腸で吸収され、そのあとに大腸に送り込まれます。腸の役割は、栄養素を吸収する役割と有害物や不消化物、上皮細胞の死骸などを糞便としてつくり、肛門から排泄する三つの消化管の働きがあります。
さらに、人の細胞数の約3倍ある腸内細菌叢を大腸に棲まわせ、免疫調整や短鎖脂肪酸を産生し、自らの上皮細胞のエネルギー源にしています。さらに、セロトニンの9割を産生し脳とやりとりをしています。
「腸もれ」は読んで字の如く、本来はもれてはいけないものが出ていってしまうことを指します。
日本人の70%は「腸もれ症候群」の可能性あり
今や日本人の70%に「腸もれ症候群」の可能性があるといわれる症状です。本来、腸の粘膜を構成している細胞は、健康な状態であればしっかりと細胞同士が結合しています。しかし、なんらかの要因で腸の状態が悪くなると、細胞と細胞の結合がゆるんで隙間があき、腸菅内に存在する未消化の食物や細菌やウイルスなどの有害物質が、腸から血管に入ってしまうのです。
「腸に穴があく」と表現されることもありますが、目で見えるような大きな穴があくわけではありません。細胞間の連結がゆるんで隙間ができるのです。腸からの物質の輸送経路には、「細胞内経路」と、「細胞間経路」の二つがあります。
一つ目の「細胞内経路」は、細胞膜上の輸送体やチャンネルを介して栄養素が吸収されます。血中のグルコースが「GLUT(糖輸送担体:glucose transporter)」によって細胞内に運ばれ、血中の血糖値を一定に保ちます。
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