二つ目の「細胞間経路」は、隣接する細胞同士の間の往来です。1980年代までは、通常はたんぱく質などの複雑な分子は、腸においては完全に通過できないと考えられていたようですが、その後、薬物研究として「バリア学(Barrier science)」が盛んになり、特に、日本の学者により隙間を閉じさせる物質の解明に貢献しました。
これらの経路は、当然ながらなんでも通すわけではありません。生体にとって必要なものに対してだけゲートが開き、通れるようになっているのです。そのため、腸のことを関所の番人=「ゲートキーパー」と呼ぶ識者もいます。
なお、海外では30年以上前から、この現象が指摘されていました。英語で「もれ」は「リーキー」(leaky)、「腸」は「ガット」(gut)であることから、リーキーガット症候群と呼ばれています。
国内では「腸もれ」の他に「腸もれ症候群」または「腸管壁浸漏症候群」と、やや難しい名称で呼ばれることもあります。
藤田 長久
医療法人社団茜会 理事長
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