本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

3月のアジア・オセアニアリートは+4.3%

■2021年3月のアジア・オセアニアのリート市場は、新型コロナワクチン普及による経済正常化期待から、香港市場を除き堅調な展開となりました。現地通貨ベースでみた3月のアジア・パシフィック・リート指数(除く日本)は+4.3%、シンガポールは同+3.9%、香港は同▲2.3%、オーストラリアは同+6.3%でした。

 

■円ベースでみた3月のアジア・パシフィック・リート指数(除く日本)は+6.7%、シンガポールは同+6.7%、香港は同+1.2%、オーストラリアは同+8.5%と、円安効果によりすべての市場がプラスとなりました。

 

(注)データは2019年12月31日~2021年4月9日。S&P先進国REIT指数の各国・地域REIT指数(配当込)、現地通貨ベース。 <br>(出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
各国・地域のリート推移 (注)データは2019年12月31日~2021年4月9日。S&P先進国REIT指数の各国・地域REIT指数(配当込)、現地通貨ベース。
(出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

3月は香港を除き堅調

■3月のシンガポールリート市場は、これまで講じてきた新型コロナウイルスへの厳格な対策が緩和される状況になったことで経済正常化期待が高まり、堅調に推移しました。一方、香港リート市場は、中国と欧米諸国との関係が悪化していることへの警戒感が強まるなか、前月の大幅上昇に対する利益確定売りから軟調に推移しました。豪州リート市場は、新型コロナウイルスの感染が抑制され、経済が底打ちしつつあることが好感されました。住宅価格が大幅な伸びを記録したほか、GDP成長率も市場予想を上回ったことを背景に、住宅セクターを中心に上昇しました。

経済の正常化期待を背景に、底堅い展開を見込む

■各国の大規模な金融・財政政策や新型コロナワクチンの普及などから景気は回復傾向にあり、アジア・オセアニアのリート市場は底堅く推移すると予想します。シンガポールリート市場は、オフィスへの出社やイベント開催時の人数制限が一段と緩和され、国内景気の改善に寄与することから堅調な展開を予想します。海外との渡航制限緩和について、一部の国を対象に隔離なしの渡航を可能とするよう協議が再開されており、今後の進展が注目されます。香港リート市場については、3月にワクチン接種対象者が拡大され、全市民の8割超が接種対象者となったことから、感染の落ち着きが評価を高める展開を予想します。豪州リート市場は、金融・財政政策の効果により国内景気が底打ち傾向にあることから、内需の回復とともに堅調な推移を予想します。ビクトリア州などで新型コロナウイルスに関する規制が大幅に緩和されたことも消費を回復させるとみられます。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『アジア・オセアニアのリート市場は概ね堅調』を参照)。

 

(2021年4月14日)

 

関連マーケットレポート

2021年3月19日 豪ドルの堅調さは今後も継続へ(2021年3月)

2021年3月9日 アジア・オセアニアのリート市場はもみ合いに

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