インド株は高値圏でもみ合い
■インド株式市場は、2月にインドの予算案を受けて最高値を更新しましたが、3月以降は高値圏でのもみ合いを続けています。代表的な株価指数のSENSEX指数は、節目の50,000ポイントを挟んで一進一退の動きとなりました。ただ、インドでは4月に入り、新規のコロナ感染者が初めて10万人を突破し、その後も感染者が急増していることから、首都ニューデリーなどで夜間外出禁止令が出ています。各地での規制強化が経済に打撃を与えるとの懸念から、インド株は足元で上値が重くなっています。
企業業績は好調、株価評価は改善
■こうしたなか、インド企業の業績は好調が続いています。ブルームバーグ集計によるSENSEX指数の予想EPS(1株当たり利益)をみると、足元で一段と伸びており、予想PER(株価収益率)による株価評価は大幅に改善し、割高感は後退しています。
■また、インド準備銀行(RBI)は4月7日、金融政策決定会合で政策金利を4%で据え置くことを決定しました。RBIは、物価上昇を警戒しつつも、新型コロナウイルスの感染者急増などを踏まえ、緩和的な金融政策スタンスを示しました。
感染拡大に歯止めがかかり、株価は持ち直しへ
■インド株式市場は、新規のコロナ感染者数が増加していることから当面上値の重い展開が続くものの、行動規制やワクチンの普及により感染拡大に歯止めがかかれば、好調な企業業績や景気回復期待、金融緩和政策の継続を背景に、見直し買いが入ると思われます。インド経済の成長期待で海外投資家からの資金流入が継続していることも株式市場の持ち直しを後押ししそうです。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『インド株は高値もみ合い、コロナ感染拡大が上値を抑える』を参照)。
(2021年4月16日)
関連マーケットレポート
2021年4月14日 アジア・オセアニアのリート市場は概ね堅調
2021年2月26日 インド株は最高値更新、予算案を好感